世界各地の家庭を訪れ、滞在しながら住人と一緒に料理をして、料理から見える社会や暮らしを探求している“台所探検家”の岡根谷実里さん。 ここでは岡根谷さんが「世界一おいしい社会科の教科書をつくりたい」という思いでまとめた『世界の食卓から世界が見える』から一部を抜粋。ブルガリアでヨーグルトが食べられる意外な理由に迫る。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ ヨーグルトは本当に「伝統食」か? ブルガリアと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。 私は全国の小中学校で出張授業をしたり大人向けの講演をしたりするのだが、この質問をすると、小学2年生でも70歳でも9割以上の方が「ヨーグルト!」と同じ回答をする。 それくらい日本人にとって「ブルガリア=ヨーグルト」のイメージは強い。 では、ブルガリアは本当にヨーグルトの国なのだろうか? 特定の商品によってできあがった私たちのイメージは、正しいのだろうか? 現地の台