放射性セシウムに汚染された飼料を食べた牛の肉が日本の広範囲にわたって流通した問題は、飼料とされる藁(わら)が春に収穫されることを規制当局が認識していなかったことが一つの原因だと報じられている。 このような汚染食品(農産物・海産物・加工品)の流通といったスキャンダルは、おそらく今後も次々と発生するのではないかと思う。流通してしまう原因としては、その商品が汚染されていることを知らずに市場に出してしまった、というものもあるだろうし、知っていたけれど市場に出して収入を得たというケースもあるだろう。 「風評被害」という言葉が盛んに聞かれるが、行政当局が汚染度の検査や規制をきちんと行わなかったために汚染された商品が出回ったり、行政による調査のやり方に対する信頼性が低いために、消費者がそれらの商品を避けてしまう場合、それが果たして「風評」と呼べるのかどうか、非常に疑問だ。「風評」という言葉が意味する