ブックマーク / blog.goo.ne.jp/yoshi_swe (15)

  • スウェーデンの路上で見かける物乞いの人々について - スウェーデンの今

    中東や北アフリカの国々からヨーロッパへ渡航する難民の数が増え続けていることが、ヨーロッパをはじめ世界の国々の大きな課題となっている。中東からは特に内戦の続くシリアからの難民がここ数年、大きく増えている。 スウェーデンはシリアからの戦争難民を積極的に受け入れており、受け入れ数を見るとドイツには及ばないものの、ドイツよりも遥かに人口の少ない国であるため、人口比で見た場合にはヨーロッパの中で一番多くのシリア難民をスウェーデンは受け入れている。そのため、スウェーデンの難民受け入れ政策に対して、世界各国で大きな関心が持たれている。シリア難民の積極的な受け入れの是非についてはスウェーデン国内でもいろいろと議論されてきたし、昨年9月の総選挙のキャンペーンでも何度も話題にのぼった。 一方、私が先日、日に滞在した時に日人の学生の方からこんな声も耳にしたが、これは大きな誤解である。 「この間、ストックホル

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  • 女性議員の比率が高い理由 & 若手候補者の下剋上 - スウェーデンの今

    前回の記事では、当選した国会議員の女性比率が43.6%になったことを書いた。この値はその4年前の選挙における45.0%よりも若干減ってしまったが、それでも国際的に見ると高い。では、どうして女性比率を高くできるのか? 【 女性議員比率が高い理由 】 その理由は、比例代表制の選挙制度と候補者名簿の順序にある。スウェーデンの選挙制度は全国を29の選挙区に分けた中選挙区の比例代表制だ。各党はそれぞれの選挙区における獲得議席数に応じて候補者名簿の上位から順番に当選者を決めていく(特定の候補者を繰り上げ当選させる補完的制度については後ほど触れる)。 その候補者名簿を見てみよう。まずは社会民主党のストックホルム県選挙区の候補者名簿だが、女性候補者には★印をつけてみた。一番目の男性候補者に続いて、女性候補者と男性候補者が完全に交互に連なっている。 社会民主党の別の選挙区の候補者名簿も見てみよう。これはヨー

    女性議員の比率が高い理由 & 若手候補者の下剋上 - スウェーデンの今
  • 「スウェーデンの電力会社の本社は原発の敷地内にある」は本当か? - スウェーデンの今

    この記事のタイトルにある噂話を震災以降、何度か耳にしてきた。私は一部の人たちの間で広まっているに過ぎないと思い、これまでは放ってきた。しかし先日、ある新聞記者の方が「今でも日で耳にする」とおっしゃっておられたので、その事実関係についてはっきり書いておこうと思う。 「スウェーデンの電力会社の社は原発の敷地内にある」と聞くと、なるほど、東京電力の社が福島第一、第二原発や柏崎刈羽原発と同じ場所に位置していたり、中国電力の社が島根原発の敷地内に位置しているような状況を想像する人も多いだろう。しかし、そういうわけではない。 結論から言えば、この話は間違いである。ただ、そのような誤解が生まれた理由が理解できなくもない。この噂話の張人は、スウェーデンでは電力会社と原発管理会社が異なることを無視し、日のように一つの電力会社がそれぞれの原発を直接的に管理・運転していると思い込んでいるのであろう。

    「スウェーデンの電力会社の本社は原発の敷地内にある」は本当か? - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2014/10/22
    "原発の敷地内にあるのは原発管理会社の本社であり、電力会社の本社ではない。"
  • PISAの結果について (その2) - スウェーデンの今

    2012年に実施されたPISA調査において、スウェーデンが散々たる結果に終わったことは、現政権にとって非常に痛い問題だ。というのも、現在の中道右派ブロックが政権を奪った2006年選挙において、ブロックの一翼をなしていた自由党(教育政策に重点を置く党)は、既にその時点で低下傾向が見られていた学力水準の原因が社会民主党政権にあると指摘し、それに変わる教育政策の実施を公約に掲げていたのだ。その時も、学力が低下しているとする根拠の一つはPISA調査だったように思う。しかし、政権交代から7年がたった今、学童の学力水準は向上するどころか、ますます低下していることが同じPISA調査によって明らかになったからである。 現政権の責任を追及しようとする動きに対して、自由党のビョルクルンド教育大臣は「私たちは教育指導要領の改正や新しい統一試験の実施などを始めとする大規模な改革を2011年に実施した。今回発表され

    PISAの結果について (その2) - スウェーデンの今
  • PISAの結果について (その1) - スウェーデンの今

    出典:The Economist ちなみにPISA調査といえば、過去の結果においてフィンランドが高い成績を収め、世界的な注目を受けた。その後、外国から多数の視察団がフィンランドを訪れたというが、そのフィンランドも近年は数学の成績が芳しくなく、今回の結果を報じる英Economist誌は ” Finn-ished”(フィンランドは終わった)という見出しを使っている。(フィンランドの学校や関係当局には、あまりに多くの視察団が日をはじめ各国から訪れていたというから、今回の芳しくない結果に関係者はむしろ胸を撫で下ろしているのではないかと私は思う・笑)とはいえ、フィンランドは今でも数学12位・理科5位・読解6位と上位にいる。 一方で、ランキングの上位は、中国(上海のみで調査を実施)、シンガポール、香港、日韓国台湾など東アジアの国々が占めている。 この結果を受けて、スウェーデンのメディアでは成績

    PISAの結果について (その1) - スウェーデンの今
  • JB Pressの記事(みゆき ポアチャ氏)に対するコメント - スウェーデンの今

    2011年には、スウェーデン内にいる外国生まれはほぼ140万人、人口の15%を超えている。外国生まれの人と、スウェーデンで生まれているが両親が外国生まれである人を合わせると160万人だ。 と書いているが二つ目の文は正しくない。「スウェーデンで生まれているが両親が外国生まれである人を合わせる」と2011年の時点で186万人である。 最初に示したように、「移民」と区分される人々は多様である。にもかかわらず、その多様性を全く無視して論じようとすれば、白黒をはっきりさせた分かりやすい論評はできても、意味のある分析はできない。(確かに、日の読者には「我々」「彼ら」の両極性の議論がすんなりと受け入れがちかもしれない。しかし、それは国内では多様なバックグランドを持つ人々に接する機会が少ないからだろう) このライターも、上に挙げた2つ目のリンク先の記事タイトルに「「我々」と「彼ら」の間の深い溝」という言

    JB Pressの記事(みゆき ポアチャ氏)に対するコメント - スウェーデンの今
  • ストックホルム郊外の暴動について(その2) - スウェーデンの今

    この週末もストックホルムや他の街では車への放火や警察・消防への投石がいくつか発生したが、全体としてはかなり落ち着いてきたようだ。住民による見廻り隊の効果が大きいようだ。暴動の破壊対象になりやすいのは、駐車中の車のほかには、夜間に誰もいない学校や保育所で、今回の暴動でもいくつか被害にあっている。しかし、Husbyの学校の中には住民が協力しあって、夜を徹した監視を行った結果、攻撃を免れたところもあるようだ。気が気でない校長が学校で一夜を明かした学校もあるという。 また、住民のアイデアで「石を置いてソーセージをべに来なよ」という一種のバーベキューの企画もあり、若者・子供がたくさん集まって、グリルしたソーセージを皆でべ、地域のシビアな雰囲気を和ませようとした、というニュースもあった。 写真の出典:Sveriges Radio 一般市民によるこのような動きは、スウェーデン語で「Goda kraf

    ストックホルム郊外の暴動について(その2) - スウェーデンの今
  • ストックホルム郊外の暴動について(その1) - スウェーデンの今

    ストックホルム郊外で先週初めに発生した若者による暴動(放火・破壊行為)はロイター通信などを通じて世界的に報道されたが、報道で伝えられている内容や事件の解釈について、私は疑問に感じることもあるので、スウェーデンのメディア報道や議論を中心に私なりにまとめてみたい。特に、表面的な報道だけでは「移民地区」と表現された地域で暮らす「人々の顔」が見えてこないので、それが少しでも見えてくるように書きたいと思います。(今日は途中までup) 【 事件について 】 5月19日(日曜日)の夜。この晩は、ストックホルム郊外の住宅街で、外国生まれの住民が多いHusby(フースビー)地区で、数人の若者が地下鉄に向かって石を投げている、という通報がいくつか警察に寄せられていた。 しかし、事態が深刻化したのは夜10時ごろ。駐車中の車が燃えているとの通報があり、警察(パトカー3台)と消防が駆けつけたところ、数十人の若者が彼

    ストックホルム郊外の暴動について(その1) - スウェーデンの今
  • 1時間ごとの電気料金の課金が来年からスウェーデンで可能に - スウェーデンの今

    電力需要のピークをいかに抑えるか? 日の今年の夏の課題はまさにこれであったが、大口顧客に対する節電の要請や罰金制度、そして、各家庭に対する呼びかけなどによって、今年の夏は乗り切った。 しかし、節電を行って電力需要のピークを抑えるために一番効率的な方法は、強制や呼びかけに頼るのではなく、利用者一人ひとりの経済勘定に訴えることであろう。例えば、電気の単価が一時間ごとに変化し、需要のピークに差し掛かるにつれて高くなっていくのであれば、単価の高い時間帯はなるべく電気を使わないようにしようとするインセンティブが利用者に働くようになる。 電力市場のこれまでの常識は、需要側の変動に合わせて供給量を調節する、というものであった。だから、電力需要が大きく増える平日・日中は、日であれば火力発電所を稼動させてピーク需要を何とかして賄おうと努力してきたし、スウェーデンであれば水力発電所(貯水型)の流水量を増や

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  • 出荷規制だけでなく、明確な損害補償も重要 - スウェーデンの今

    放射性セシウムに汚染された飼料をべた牛の肉が日の広範囲にわたって流通した問題は、飼料とされる藁(わら)が春に収穫されることを規制当局が認識していなかったことが一つの原因だと報じられている。 このような汚染品(農産物・海産物・加工品)の流通といったスキャンダルは、おそらく今後も次々と発生するのではないかと思う。流通してしまう原因としては、その商品が汚染されていることを知らずに市場に出してしまった、というものもあるだろうし、知っていたけれど市場に出して収入を得たというケースもあるだろう。 「風評被害」という言葉が盛んに聞かれるが、行政当局が汚染度の検査や規制をきちんと行わなかったために汚染された商品が出回ったり、行政による調査のやり方に対する信頼性が低いために、消費者がそれらの商品を避けてしまう場合、それが果たして「風評」と呼べるのかどうか、非常に疑問だ。「風評」という言葉が意味する

    SavingThrow
    SavingThrow 2011/07/22
    "モラル依存ではなく、経済的インセンティブを伴う設計。各経済主体の視点に立った上で、彼らがちゃんとそのルールに従ってくれるような誘因をルールや制度に織り込まなければならない。"
  • 今の日本の政治に求められるのは果たしてリーダーシップなのか? - スウェーデンの今

    「リーダーシップ」という言葉が日常茶飯事に使われている。菅首相にはリーダーシップがないと言われるし、それまでの自民党政権でもリーダーシップの欠如がたびたび問題視されてきた。震災後には「リーダーのあるべき姿」論があちこちで議論された。 では、今の日の現状とは正反対の、「政治がリーダーシップをバリバリ発揮する政治」とはどのような政治なのだろうか? カリスマのある一人のリーダーが、反対勢力を押し切りながら、是が非でも大きな改革を実行するような政治だろうか? どのような事態においてもアドリブや機転を利かせながら柔軟に対応して、難所を乗り切っていける人生哲学を持ったリーダーが率いる政治だろうか? しかし、もしそのような政治を頭に描き、そのようなリーダーが登場すれば日政治が良くなると期待しているのであれば、その願いはいつまで経っても叶わないだろう。今の日政治が抱える問題は一人の強いリーダーが

    今の日本の政治に求められるのは果たしてリーダーシップなのか? - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2011/06/29
    "本当に必要なのは制度や仕組。むしろ批判すべき点は万が一の事態を想定せず、マニュアルも作らず、準備を怠ってきた、リーダーが適切な判断を下せるようサポートできる組織や制度が整っていなかったことだろう。"
  • 企業・市場の要望に柔軟に対応する職業訓練プログラム - スウェーデンの今

    失業した人がそれまでとは別の分野でも再就職できるように支援する職業訓練の制度については、『スウェーデン・パラドックス』の中でも詳しく説明した。職業訓練というと、公共職業安定所が提供する数週間から数か月といった短期間の講座などを思い浮かべるかもしれないが、トラックの運転手が足りないから大型の免許を取るための講座、とか、建設機械の運転免許を取るための講座といった分りやすいケースを除けば、短期間の講座ではなかなか再就職につながらない。むしろ、スウェーデンでは1年から3年かけて身につけるような比較的長い期間を要する職業訓練が大きな意味を持っている。 ここでは、高校の職業科相当の訓練や教育を社会人に提供するyrkesvux(職業成人高校)(たとえば準看など)のほか、高校以降の教育内容に相当した職業訓練を提供するyrkeshogskolan(職業大学)などの制度があるが、学べる技能や教育カリキュラムは

    企業・市場の要望に柔軟に対応する職業訓練プログラム - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2011/03/09
    "その地域でどのような技能が求められているのか?地元経済潜在性などを拾い上げ、適した教育プログラムを策定、提供。プログラムには、企業からも講師を招いたり、実際の現場でのインターンシップを重視する。"
  • いっそのこと0歳児も含めて国民全員に参政権、というアイデア - スウェーデンの今

    選挙権・被選挙権ともに18歳以上であるスウェーデンでは、18歳の国会議員や市議会・県議会議員が誕生することも珍しくないことを、このブログでも書いてきた。 この18歳以上、という制限をさらに下げて16歳以上にしようという声は、環境党などを中心に以前から上がってきた。しかし、さらに斬新なアイデアがある。いっそのこと、0歳児も含めて国民全員に選挙権を付与してはどうか?というものだ。 そんな奇抜なアイデアを打ち出しているのは、ヨーテボリ大学政治学部のロースタイン(Rothstein)教授だ。正確に言えば、子供が自ら判断して票を投じるというよりも、保護者が子供の立場から彼らの一票を代理で投票するという考えだ。彼は新聞のオピニオン欄に自身の主張を展開し、ラジオの時事問題番組でもインタビューを受けていた。 彼の主張はこうだ。幼い子供や児童・生徒は育児・保育・教育といった公共サービスを利用している。これに

    いっそのこと0歳児も含めて国民全員に参政権、というアイデア - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2011/01/30
    "子の分は保護者が行使できる。次世代にとっても明るく活力のある社会を作るために、政治権力のバランスを若い世代に戻す必要がある。何らかの形で次世代の声を現在の政治決定に反映できるようなシステムが必要。"
  • グスタフ・フリドリーン 「議員が一生の仕事であってはならない」(その2) - スウェーデンの今

    19歳で選挙に当選し、国会議員を1期4年間務めたグスタフ・フリドリーンは、2006年に国政から退いた後、ジャーナリストや講師、執筆などをしてきた。しかし、今年の国政選挙を前にし、再び立候補して政治の世界に戻ることを表明。そして、見事当選を果たした。 彼が再び国会議員になることを選んだのは彼自身の意欲によるものだが、もう一つの背景としては彼の属する環境党の党首選びが挙げられる。「政治家が一生の仕事であってはならない」という彼の主張と似たように、環境党自身も「同じ人が党首をいつまでも続けるべきではない」という方針を持っており、党首の任期は最大8年と決めている。現在の2人の党首は2003年半ばから党首ポストに就いてきたので、来年には新しい党首が引き継がなければならない。そして、その有力な候補がまだ20代のグスタフ・フリドリーンなのだ。 (ちなみに、二人党首制を採用している環境党は男女を一人ずつ党

    グスタフ・フリドリーン 「議員が一生の仕事であってはならない」(その2) - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2010/11/11
    "環境党、同じ人が党首をいつまでも続けるべきではない方針で、新党首の有力候補がまだ20代のグスタフ・フリドリーン。自分の理想を掲げそれを実現したいと思う意欲を持った若者に、活躍の場が与えられている。"
  • グスタフ・フリドリーン 「議員が一生の仕事であってはならない」(その1) - スウェーデンの今

    今回の国政選挙で18歳の国会議員が誕生したことは少し前にここでも書いたが、若者の政治への関与について語る上でどうしても触れておきたい人がいる。グスタフ・フリドリーンという27歳の若者だ。 振り返ること8年前、2002年の国政選挙において19歳という若さで国会議員に当選した男の子がいたが、それがグスタフ・フリドリーンだった。小さい時から環境問題に関心を持った彼は、11歳のときに環境党の青年部会のメンバーになり、党内でのアイデア形成に子どもの立場から積極的に関わっていった。そして、16歳のときにこの青年部会の代表に選ばれ、そして19歳から国会議員となったのだった。 ただし、任期4年の間に国会議員として様々な経験を積んだり、同僚の議員や他の党の議員と仕事をしていくなかで「国会議員という身分が一生涯の職となるべきではない」と考えるようになり、2006年の国政選挙では立候補しないと表明した。彼の考え

    グスタフ・フリドリーン 「議員が一生の仕事であってはならない」(その1) - スウェーデンの今
    SavingThrow
    SavingThrow 2010/11/09
    "2002年の国政選挙で19歳という若さで国会議員に当選したグスタフ・フリドリーン。11歳、環境党の青年部会のメンバーになり、党内でのアイデア形成に積極的に関わり、16歳で青年部会の代表、19歳から国会議員となった。"
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