アイルランドで日本を考える(1/4) 5月、アイルランドに行った。2週間かけて車でゆっくりまわった。 アイスランドの火山噴火による煙でヨーロッパの空港は閉鎖されひやっとしたが、二、三日前にやっとダブリン空港も再開したということであった。 北海道くらいの大きさの島である。人口は450万。ほんとに、人より羊や馬の方を多く見た。レンタカーを駆ると実に雄大な景色である。山の中を行くと赤茶けた山肌に低い灌木が続く。緑なすゆるやかな牧草地帯もある。海辺はどこまでも石。モハーの断崖も息をのむ絶景だったし、世界遺産ジャイアントコーズウェイあたりも岩また岩である。 ○「アラン」の世界 そのむかし、ドキュメンタリーの名作といわれる「アラン」を見た。1934年制作、監督ロバート・フラハティ、アイルランド西岸沖のアラン島に住む素朴な半農半漁の生活を描いたものである。素朴ではすまない。自然と戦う厳しい生活とい