Nature 471, 420 (2011年3月24日号) | doi:10.1038/471420a 日本の科学に激震 日本の研究者たちは、地震で破損した装置や寸断されたインフラと懸命に戦っている。 Ichiko Fuyuno 2011年3月11日、マグニチュード9.0の大地震と想定をはるかに超えた津波が東北地方と関東地方を襲った。東北大学大学院生命科学研究科の田村宏治(たむらこうじ)の研究室は、地震によりめちゃくちゃになった。本や顕微鏡、DNAシーケンサーやサンプルは床にたたき落とされた。幸いにも、田村が器官形成の研究に用いているヤモリ、アフリカツメガエル、ゼブラフィッシュは、地震には耐え、生き延びた。だが、今、ゆっくりと死に向かっている。断水により水槽の水がなくなる可能性があるからだ。「ここの動物たちが水なしでどのくらい生きられるかと思うと、不安です」と彼は言う。「けれども、多くの被