◆起源は江戸期 伝統の取引、復活へ一歩 「価格乱高下の恐れ」 慎重論も 東京穀物商品取引所や中部商品取引所に設けられた研究会が、コメ先物市場の開設を求める報告書を6月以降、相次いで取りまとめた。江戸時代から戦前まで続いた歴史を持つコメの先物市場が、70年ぶりの復活に向けて動き始めた。(西沢 隆之) ■大阪・堂島が発祥 オランダで17世紀に始まったチューリップの先物取引が農産品の先物市場の先駆けと言われているが、日本でも1730年に大阪の「堂島米会所」で先物取引が始まった。明治末期の1908年には東京米穀商品取引所が発足し、コメのほか、綿糸や砂糖などの先物取引も行われた。 その後、太平洋戦争が近づく中でコメは政府の統制下に置かれ、同取引所は40年閉鎖された。戦後、日本各地で豆や砂糖などについては先物取引が再開されたものの、コメについては食糧管理制度の下、政府が原則全量を買い入れし、先物市場の