「日刊現代」今日発売(Economics Lovers) 日本経済再生の処方箋(月刊現代11月号)(Econviews-hatena ver.∞) 発売日に購入、読了。身近な物価から対外関係までの主要論点を短時間で概観できるのがありがたい。一面的かつ皮相的に経済問題を捉えがちなマスコミの論調に棹をさすアンカー役が期待できます。 各稿の共通項を次のようにまとめてみました。 (1)非正規労働者の増加、タクシー運転手の賃金低下、餃子問題に端を発する中国産食品への忌避等など巷で取り上げられる社会問題の真因を探ると’90年代から続く長期のデフレであることが観察できる(田中、若田部、梶谷論文)。最近「インフレ」と報道される現象は、原油を始めとする一次産品価格の高騰に伴うもので、日本は依然デフレでありかつ再び深刻化しかねない瀬戸際にある(安達論文)。 (2)これらの問題を解決しようとして例えば規制緩和を
米国の不良債権買取を軸にした金融安定化法案(TARP)が成立する公算が強まった(今度は下院は通すでしょう)。で、成立すると下のエントリーのコメントでも頂いたように「TARPの世界」に入っていくのだが、それで万事OKかというとやっぱり不安である。日本の経験上、買取機構なるものはあまり機能しなかったからである。 最近、米国の不良債権買取が現実化してきたせいか、古いエントリーを参考にされる方が多いようだ。「共同債権買取機構を思い出した=サブプライム支援基金」である。ちょうど1年前に書いたわけですね。それからの展開はご案内のように日本の経験の後追いである。ただし、スピードは速い。また、基軸通貨国の金融危機なので、中央銀行の流動性供給は全員参加型と相成った。 それで買取で問題は終わるのか。古参の金融関係者はうなずかれるであろうが、あまりうまくいかないであろう。①金融機関の体力があるなら不良債権は市場
最近、ぼんやりと思っていることです。ZIRPはご存知かと思いますが、「Zero Interest Rate Policy」のこと。ゼロ金利政策ですね。先進国の金利はゼロに収れんしていくのではないか。あくまでもドルの信認は維持されるとの前提です。「ザープの世界」にはなって欲しくはないですが。 簡単ながら備忘録として。 追記として、ゼロ金利に収れんする理由。簡単に言えば、資産バブル崩壊の進行&金融システム不安(信用収縮)&実体経済の悪化などの負の相乗効果がどんどん強まり、先進各国はとことんまで金利の引き下げを余儀なくされる、というものです。 そう言えば、10年ほど前、確か99年10月だったと記憶するが、ボストン連銀主催のセミナーがあった。テーマは「低インフレ下の金融政策」で、これはインフレとの戦いに勝っても、別な敵であるデフレとの戦いは大変じゃないのか、という問題意識が強まっていたため。もちろ
ソフトバンククリエィティブのメールマガジンに掲載されたもの転載 もう七年も前のことだけど、2001年に専修大学教授の野口旭さんと共著『構造改革 論の誤解』(東洋経済新報社、以下『誤解』)という本を出した。執筆の関係は、野 口=先生、田中=弟子、という感じで、僕はそのとき初めて経済評論という分野に手 を染めたわけである。この本の主要テーマは、「構造改革なくして景気回復なし」と スローガンを掲げて、国民的な人気を誇った小泉純一郎首相の経済政策を批判的に議 論することだった。小泉氏の当時の人気は本当に凄まじく、非常勤でいってた大学の 講義で『誤解』の内容を説明していたら、ある学生のアンケートに「なんで先生は小 泉首相をいじめるんですか?」という一言コメントが返って、思わず苦笑したもので ある。 その国民的人気はほぼ在任中維持されたといえよう。そして小泉氏は今期かぎりで 政界を引退するという。「上
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