山本慶子 私的整理は、債権者全員の合意によって成立する。このため、「ごね得」や「メイン寄せ」を狙う債権者が存在するなど、債権者間の意見対立が著しい場合には、その成立が困難となる。そこで、本稿は、ゲーム論の観点からの分析を行い、私的整理が成立する仕組みおよび私的整理の成立を阻害する要因を明らかにし、その対応策を検討することを通じて、私的整理の成立を促す方法を考察するものである。具体的には、はじめに、私的整理が成立する仕組みについては、同時手番の1回限りのゲームだけでなく、2回繰り返しゲームや2段階交渉ゲームを用いた分析から、債権者らは自発的に行う交渉の結果として、「ごね得」や「メイン寄せ」を含む平等ではない分配案による私的整理を実現しうること等を明らかにしている。次に、以上の分析から私的整理の成立を阻害する要因として、交渉決裂時の取り分たる倒産手続における分配額および交渉の対象たる企業価値に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く