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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (173)

  • 士大夫たちのハイパー・パノプティコン - 梶ピエールのブログ

    セレモニー 作者: 王力雄,王柯,金谷譲出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2019/04/26メディア: 単行この商品を含むブログを見る 中国の反体制作家による、近未来の中国を舞台にしたディストピア小説。それだけで一定の先入観を持って、敬遠してしまう読者も多いかもしれない。かくいう僕もこのについて、先に台湾で出版された中国語版を手に入れていたのだが、帯の文句に「インターネット時代の『1984年』!」なんていう文句がでかでかと書いているのを見て、内容がなんとなく想像できるような気がしてそのままにしていた。で、このたび藤原書店から翻訳が出たのを知ってさっそく読んでみたのだが、なんのなんの『1984年』なんかよりずっとお下劣かつ痛快で、無茶苦茶面白い作品ではないですか。小説にしては値段がかなり高めだし、マーケットを中国関係の研究者やジャーナリストに絞っているのかもしれないが、そういう狭い

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    Schuld 2019/12/31
  • 理性としての「反緊縮」 - 梶ピエールのブログ

    黒い匣 (はこ) 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層 作者: ヤニスバルファキス,朴勝俊,山崎一郎,加志村拓,青木嵩,長谷川羽衣子,松尾匡出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2019/04/19メディア: 単行この商品を含むブログを見る 果たして、どれだけの日人が、2015年1月から7月までの間に、ギリシャで起こったことを記憶しているだろうか。このとき、ギリシャではチプラス左派政権が成立し、トロイカ―欧州委員会、ヨーロッパ中央銀行、IMF―が政府に要求する緊縮的な「救済策」の受け入れを拒否する姿勢を鮮明にした。さらには7月には国民投票によってトロイカ案の受け入れが否決されたことで、事態は国際的なニュースとなり、その是非をめぐって活発な議論が繰り広げられた。 その「ギリシャの春」のキーパーソンが、チプラス政権の財務大臣を務めたヤニ

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    Schuld 2019/05/13
  • それでも中国は世界第二位の経済大国である(下) - 梶ピエールのブログ

    実質GDPが過大評価されるということはどういうことか (承前)さて、書の59ページ図表9では、中国経済の公式統計が様々な「疑惑」を抱えていることをもって、「中国の実質GDP成長率が1985年以降の30年間、毎年3%水増しされている」という「控えめな」仮定をおいたとしても、実際のGDPは公式統計の3分の1であり、日を下回ってGDPは世界第3位になる、と述べている。言うまでもなく、この主張は書のタイトルの根拠にもなっている。ただ悪いけど、これは典型的な「ダメな議論」だと思う。 「中国のGDP統計に怪しいところがある」というのは事実だし、「年によっては実質成長率が数%過大に評価されている」ことも十分あり得る話だ。だからといってそこから「30年もの長期にわたって3%過小評価され続けている」という結論は、どうやったって出てこない。 そもそも、「実質GDP成長率の水増しが少しずつ重なって、最終的

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    Schuld 2017/10/28
  • それでも中国は世界第二位の経済大国である(上) - 梶ピエールのブログ

    先日、中国共産党の第19回党大会が開かれ、その後の一中全会で新たな政治局常務委員の顔ぶれが発表されたが、それとはあまり関係なく、このところ、「中国崩壊論」がらみの記事で2回ほど取材を受ける機会があった。野嶋剛氏によるNewsPickの記事「中国経済崩壊論の問題点」(有料記事)および、高口康太氏によるNewsWeekの記事「中国崩壊の崩壊カウントダウン」である。 ただ、私は狭義の「中国崩壊」すなわち、何らかのリスクが顕在することによって近いうちに共産党政権が倒れることを予言する書籍にはあまり関心を持っていない。むしろ最近注目してきたのは、より新しいタイプの、GDPの水増しが深刻なレベルであり、実際のGDPは公式統計の3分の1程度である、といった主張を展開する、いわば「中国経済成長まぼろし」ともいうべき一連の著作である。私がこれらの著作に関心を持つのは、いわば自分の守備範囲内なので、より

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    Schuld 2017/10/28
  • 共和主義ってなんだ?―稲葉振一郎『政治の理論』について− - 梶ピエールのブログ

    先週、京都でこの読書会があり、著者ご人も参加されるというので参加してきました。その後、このに関する考えや疑問点が徐々にまとまって来たので、ブログ記事の形で公表したいと思います。主催者並びに質問に誠実に答えていただいた稲葉氏に感謝します。 政治の理論 (中公叢書) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/01/17メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る ・・考えてみれば「共和主義」とは不思議な概念である。リベラリズムや「自由」に関するはたくさん出ているが、「共和主義」に関する書籍は専門書以外ではほとんどお目にかかることはない。「民主主義ってなんだ」、「立憲主義を守れ」という掛け声がデモで叫ばれることはあっても、「共和主義ってなんだ」という掛け声を私たち耳にすることはない。後で見るように、キャス・サンスティーンのような現代的な共和主義

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    Schuld 2017/08/29
  • 必読・中国社会の新しい動き - 梶ピエールのブログ

    4月より深圳大学で在外研究中の伊藤亜聖さんによるニコ技深圳観察会参加記。中国経済に少しでも関心がある(ポジティブにであれネガティブにであれ)人は、絶対に読むべきだと思います。 https://aseiito.net/2017/04/09/shenzhen_2017_2/ https://aseiito.net/2017/04/11/shenzhen_2017_3/ https://aseiito.net/2017/04/12/shenzhen_2017_4/ https://aseiito.net/2017/04/12/shenzhen_2017_5/ https://aseiito.net/2017/04/13/shenzhen_2017_6/ https://aseiito.net/2017/04/15/shenzhen_2017_7/ 【4月14日追記】当初伊藤さんのブログ記事を紹介

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    Schuld 2017/04/15
  • 岡本隆司『中国の誕生』 - 梶ピエールのブログ

    中国の誕生―東アジアの近代外交と国家形成― 作者: 岡隆司出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2017/01/06メディア: 単行この商品を含むブログ (6件) を見る 沖縄(琉球)の問題とチベットの問題は実はつながっている!このご時世に不用意にこんなことを言おうものなら、ただちにネトウヨ認定されてしまうかもしれない。確かにグーグルで「沖縄」+「チベット」で検索すると、「米軍基地の問題で沖縄に自己決定権なんて認めたら、チベットみたいに中国に侵略されてしまう!」などといったネトウヨの主張がわんさかとヒットしてくる。しかし、もちろんここではそんな主張がしたいわけではない。 既に近代中国外交史、経済史の分野で数多くの著作を著してきた岡隆司の近著『中国の誕生―東アジアの近代外交と国家形成―』は、近代中国が周辺部との関係を変化させていく中で、その「境界」を確定し、認識していく過程を中

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    Schuld 2017/04/14
  • 文化大革命の「新常識」 - 梶ピエールのブログ

    今年は文革50周年ということもあって、文革をテーマにしたシンポジウムや雑誌の特集、書籍など、地味ではあるが様々な再検証の試みが行われてきた。その中でも、12月23日にNHKBSで放送されたドキュメンタリー「文化大革命50年 知られざる“負の連鎖”〜語り始めた在米中国人」は画期的な内容だった。番組のベースになっているのは、徐友漁らアメリカ在住の「文革世代」のリベラル派知識人の証言と、スタンフォード大のアンドリュー・ウォルダー教授による、中国の地方誌に記された情報を丹念にデータベース化する中で得られた研究成果である。近年の文革研究は、明らかにアメリカを中心に進められてきた。彼ら在米の研究者たちによって、従来の常識を覆す新事実が次々に明らかにされてきたからである。日でも、ウォルダー教授の研究チームに加わっていた神戸大学の谷川真一氏らが近年精力的に研究成果を発表しており、その内容は研究者の間では

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    Schuld 2016/12/28
  • 中国の経済統計は本当にデタラメなのか?(下) - 梶ピエールのブログ

    承前。 4.サービス部門の推計 すでに述べたように、中国の統計制度が国際水準にのっとったSNA体系に移行する過程で、最大の懸案はサービス部門の統計をどのように整備するか、という問題であった。その後サービス部門の付加価値額の統計に関してはセンサス調査などを通じてたびたび改訂が重ねられてきた。中でも最大の修正が行われたのが2004年に実施された第1次経済センサスであり、2004年の第三次産業の付加価値はセンサスの実施後48.7%上方に修正され、GDPの名目値は16.8%上方に修正された。その後、2008年の第2次経済センサス、2013年の第3次経済センサスでもGDPの値はそれぞれ4.4%、3.4%上方に修正された。 また、サービス部門の統計をめぐっては現在でも議論が続けられている。評価が分かれるのは、サービス部門では付加価値額を生産面から直接把握するのがが難しいため、収入の側から、すなわちサー

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    Schuld 2016/07/11
  • 「中国の経済統計は本当にデタラメなのか?」参考文献リスト - 梶ピエールのブログ

    (日語) 石原享一(1994)「中国統計システムの改革」、『アジア経済』8月号 梶谷懐(2003)「中国の「市場経済移行」の評価をめぐって―公式GDP 統計の信頼性に関する議論より―」『比較経済体制研究』第10号 加藤弘之・三竝康平「中国のGDP統計の信頼性について」『国民経済雑誌』第6号 許憲春(2009)『詳説 中国GDP統計―MPSからSNAへ』新曜社 小島麗逸(2003)「中国の経済統計の信憑性」『アジア経済』5・6月号 堀井伸浩(2003)「中国石炭産業の市場統合への阻害要因―湖南省石炭流通調査からの考察―」『アジア経済』1月号 星野真(2016)「中国の経済成長率6.9%から何を読み取るか」『Views on China』(http://www.tkfd.or.jp/research/china/a20009?id=1630) 松岡秀明=南毅 =田原健吾(2015)「中国の真

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    Schuld 2016/07/09
  • 中国の経済統計は本当にデタラメなのか?(上) - 梶ピエールのブログ

    中国経済というとどうも「わかりにくい」と感じる人が多いようだ。その「わかりにくさ」の一つの背景に、議論の前提となるはずのGDPなど経済統計の信頼性の低さの問題があることは間違いないだろう。最近の話に限っても、2015年に上半期の実質GDP成長率が7%という数字が公表されたころから、中国の経済統計に関する疑念やそれに関する議論が中国の内外で盛んに行われるようになった。2015年は多くの工業製品の名目の生産額がマイナスになっていたにもかかわらず、工業部門の付加価値は実質6%の伸びを記録するなど、統計間の不整合が目立ったためだ。また、2016年2月に国家統計局の王保安局長が解任され、数百人の国家統計局職員が統計データを不正に操作して利益を得たとして取り調べを受けている報道がなされたことも、そういった風潮に拍車をかけたといえる。 そのためかこのところ、統計の信頼性の低さが中国崩壊論の根拠として持ち

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    Schuld 2016/07/09
  • 人民元の切り下げをどうみるか。 - 梶ピエールのブログ

    さて、ここにきて世界の関心を集めているこの件について。 「人民元、連日の切り下げ 習政権の政策転換鮮明に」日経新聞8月12日付より。 中国人民銀行(中央銀行)は12日、対ドルの為替レートの目安となる基準値を前日より1.6%引き下げた。2%近く下げた11日に続く措置で、人民元相場は一時、約4年ぶりの安値水準をつけた。一定の範囲内で緩やかな元高の方向へ動く管理変動制を2005年7月に採用してから、ここまで急激な元安誘導は初めてだ。 12日はアジア株が全面安となったほか、欧州でドイツのDAX指数が約3%下落し、米国ではダウ工業株30種平均が一時300ドル近く下げた。 今の世界の市場心理を象徴する銘柄が、12日の東京株式市場にある。JFEホールディングスだ。株価の下落率は日経平均株価(1.6%)を大きく上回る7%に達し、年初来安値を更新した。同社は「中国関連株」だ。鋼材の大消費国である中国の景気減

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    Schuld 2015/08/19
  • 中国の成長率とTFPの予測について(後編) - 梶ピエールのブログ

    承前。 過剰投資のリバランスとその処方箋―清算主義かリフレか― 先ほど、「生産性の低い方から高い方へ生産要素を移動させることでTFPの上昇は十分見込める」と述べた。とはいっても、労働力の移動によってそれが実現できる今後は労働ではなく資による調整が必要になってくるだろう。しかし資は労働とは異なり生産性の低いところの資を高いところに持ってきて使う、という訳にはいかない。せいぜい生産性の低いところに行われている投資を減らして、当に必要な投資に資金が回るようにする、といったことしかできない。これが津上さんの著作でも強調されていた「過剰投資からのリバランス」である。 このことは、当然のことながら経済全体の投資が適正な水準まで抑制されることを必要とする。その際どの程度まで抑制するのが「適正」なのか、という点が問題だが、前述の三浦有史氏のレポートにあるように、日その他の「中所得国の罠」を抜け出

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    Schuld 2015/06/20
  • 中国の成長率とTFPの予測について(前編) - 梶ピエールのブログ

    少し前のことだが、津上俊哉さんが、丸川さんと僕の共著『超大国中国のゆくえ4:経済大国化の軋みとインパクト』(東京大学出版会)の、序章についてブログで批判を書かれている。 http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2015&month=5&id=1430811575 http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2015&month=5&id=1430811076 http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2015&month=5&id=1430810602 http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&yea

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    Schuld 2015/06/20
  • ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ

    インターネットメディアのSYNODOSに、「中国の所得格差はどうなっているのか」という記事を寄稿しました。中国社会を語る際の「定番ネタ」の一つである所得格差の問題について、政府が公表しているジニ係数の変動、「灰色収入」の存在とその規模、国有/非国有部門間の賃金格差、などの観点から整理しています。 さて中国の所得格差については日でも関心が高い話題で、そのことはいいのですが、中にはかなりミスリーディングな紹介記事も見受けられます。例えば、少し前の『読売新聞』の記事です。オリジナルのリンクが切れているので「魚拓」を取っているサイトをリンクしておきます。 「中国で貧富の差拡大、ネット関連報道は次々削除 -読売新聞」 【上海=鈴木隆弘】23日付の中国紙・南方都市報によると、西南財経大学(四川省成都)の研究チームは、中国の全世帯の10%を占める富裕層が、全国の総資産の63・9%を所有しているとする「

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    Schuld 2014/03/19
  • コース先生もびっくり!−ポスト薄の重慶と「地票制度」の実験− - 梶ピエールのブログ

    先日、「空中権」という聞き慣れない言葉がニュースで流れたことがあった。これは、先日完成した東京駅の復元改修工事にあたって、東京駅の駅舎敷地で未使用となっている容積率を、JR東日がその周辺の新築ビルに売却し、復元工事にかかる費用およそ500億円をそれによってまかなうというものだ。これは東京都千代田区の一部が「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」として指定されたことを受けたもので、東京駅の周辺ビルは、空中権を購入することによって来の容積率以上の高層ビル化を実現できるようになった。 このような「空中権」すなわち容積率の取引は、経済学で言う「コースの定理」、すなわち来市場では解決できないはずの経済活動の「外部性」を、排出権や空中権といった所有権を設定することで「内部化」し、市場取引によって解決しようという考え方に基づいている。経済活動と環境汚染物質の制限を両立させる排出権取引の制度

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    Schuld 2013/05/23
  • マルクスからカント、そしてヘーゲルへ - 梶ピエールのブログ

    経済大陸アフリカ (中公新書) 作者: 平野克己出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/01/24メディア: 新書購入: 34人 クリック: 844回この商品を含むブログ (31件) を見る すでにあちこちで高い評価を得ている書だが、個人的には「アフリカ問題を考えることは、これからの国際秩序のあり方について考えることだ」そんな感想をいだかせる内容の濃い啓蒙書だった。 現在のアフリカの経済成長といえば中国の経済援助や企業進出は切っても切り離せない関係にある。そんな中国の関与はアフリカ諸国にとって「ベストなものではないがベターである」というのが書を読んで得られた感想だ。確かに、中国アフリカ進出は完全に資源確保のためであって、何かご立派な理念がそこにあるわけではない。ただ、一方的に収奪しているわけではなく、間違いなく現地経済の成長に寄与している。その意味で中国アフリカ関与が「

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    Schuld 2013/05/23
  • 「普遍性」をいかに追求するか、という課題 - 梶ピエールのブログ

    人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 前回のブログ記事の最後に、このについて「書に感じた「ちょっと待てよ」という違和感の由来を整理してみたい」と書いた。同時に、「日中に通底する普遍的な(ぶれない)価値判断の軸を持つこと」および、「その価値判断の軸に照らして、それと大きくずれた現象が生じたときは、社会に対して何らかのアクションを起こす」ことをよしとする著者の姿勢に共感する、ということも述べた。 実は、僕が書に感じる第一の違和感も、後者にあげた日中間に通底する「普遍的な価値判断の軸」にかかわる。書の記述からは、それが大事だということはわかっても、普遍性を具体的に練り上げていくための、道筋が示されていないように思うのだ。例えば、書の尾

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    Schuld 2013/01/28
  • 「中国論」の論じ方 - 梶ピエールのブログ

    人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 子安宣邦氏の『日人は中国をどう語ってきたか』は、日思想史研究の重鎮が、明治以来の日の知識人による中国論の丹念な読み直しを通じて、「日思想にとっての中国」とはどういったものか、そしてそれが欠落させてきたものは何か、をあぶり出そうとする力作である。著者が中国研究の「外部」の人間であるだけに、「内部」にいる中国研究者にとってはむしろ盲点になるような、鋭い問題提起を展開したものとして読んだ。 こので批判されている中国論は、二つの類型にわけることができるだろう。一つ目は内藤湖南に代表されるもので、中国をスタティックな文化論の観点から「他者」として語るものである。この議論は、その「冷たさ」の面、中国の動

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    Schuld 2013/01/28
  • 開発と社会体制(制度)など - 梶ピエールのブログ

    稲葉振一郎さん(id:shinichiroinaba)がDaron Acemoglu & James A. Robinson, のWhy Nations Fail について詳細な読書メモを書かれています。このは大分前に読もうと思って購入していたたものの分厚すぎてそのままにしていたので、勉強になりました。 Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty WHY NATIONS FAIL [ Daron Acemoglu ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 洋書 > SOCIAL SCIENCEショップ: 楽天ブックス価格: 4,665円 以下、http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20120901/p2より。 一時期のいわゆる開発独裁(1980年代頃の開発経済学でいわれ

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    Schuld 2012/09/03