Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 福岡大学大橋研究室の研究チームが発表した「心拍情報に基づくいじめ検出手法の一検討」は、被害者の心拍情報から主観的なストレスを検出してハラスメントを特定するシステムを提案した研究報告だ。 ここでいうハラスメントとは、俗に言う「いじめ」行為であり、殴る蹴るなどの身体的攻撃、罵倒や嫌みなどの精神的攻撃、人間関係からの切り離し、セクハラ、パワハラ、カスハラなどカテゴリーも多岐にわたる。対象も小学生から社会人、高齢者まで広範囲といえる。 いじめの早期発見は難しい。暴力などのあからさまな事象を目撃できれば分かりやすいが、微妙な嫌がらせやずる賢い攻撃だと分かりにくい。そのため、第三者がその行為を目撃して