厚生労働省の年金制度企画に関わっていた引退後の官僚の方、およびその家族の方が殺傷された事件は、久しぶりに背筋が寒くなる感じの事件だ。日本にいないので社会的にどの程度の衝撃なのかわからないのだが、ネットで読むだけでもちきりん的には大きな衝撃だ。 殺人というのは、大半の場合、顔見知り間で起るものだ。日本の場合、家族・親戚内の殺人が約半分を占める。その他にも友達、知人が4分の1を占め、職場関係者と続く。たいして知らない人を殺すというのは非常に珍しい。意外に思うかもしれないが考えればあたりまえだ。誰かを殺したいと思うほど憎むにはそれなりの“関係の濃さ”が必要になる。 その辺の道で出会ったとか、なにかの会で一回一緒になった、くらいの人を私たちは殺したいほど憎んだり恨んだりはしない。というか、できない。長年一緒に暮らしていたり、この人にこそと思うからこそ「殺したい」ほどの感情にとりつかれるわけで、殺人