MIYADAI.com Blog (Archive) > 東京新聞11月7日夕刊文化面に、新国立競技場問題について執筆しました。 « 『読売新聞』で「恋するフォーチュンクッキー」を踊るブームにコメントしました | イベント告知 » ◎「生き物」としての東京を取り戻す/宮台真司 新国立競技場建設案を問題視する槇文彦氏は、六〇年代にヒルサイドテラスの設計を通じて東京・代官山の礎を与えた建築家だ。近隣に住む私は代官山の街づくりをめぐる活動に関わるが、この地が「匂いのある街」なのは氏の環境倫理学的な直観に負う。直観を学問的に補完してみよう。 日本人に縁の薄い環境倫理学は、生き物も快苦を感じるから苦痛を最小化せよと唱えるピーター・シンガーの〈功利論〉から、生き物も人と同じ道徳的義務の対象に数えよと唱えるトム・レーガンの〈義務論〉を経て、これらでは環境の一部しか最適化できないとするベアード・キャリコッ