ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (25)

  • 学校や図書館で禁書の申請が過去最多、何が起こっている? 米国

    米ニュージャージー州アナンデールにあるノースハンタードン地区高校の図書室で撤去処分を免れた5冊の。現在、米国で一部のを禁止しようとする動きがかつてないほど高まっている。なかでも標的にされやすいのが、この写真にもあるLGBTQ+を扱っただ。(Photograph by Bryan Anselm, Redux) マーク・トウェイン、ハリエット・ビーチャー・ストウ、ウィリアム・シェイクスピア。いずれも古典文学を代表する作家として米国の学校で学ぶことが多いが、共通点はそれだけではない。内容が論争的、わいせつである、または人を不快にさせるなどの理由で、米国の一部の学校からそのが締め出された作家たちなのだ。 同様に、不適切とみなされた作家は数多い。アンネ・フランクによる『アンネの日記』ですら検閲の対象になった。ナチスドイツの迫害を受けたユダヤ人少女の家族が描かれているからではなく、10代のアン

    学校や図書館で禁書の申請が過去最多、何が起こっている? 米国
  • 【動画】タコが魚たちを率いて狩り、タコパンチで「喝」も、研究

    紅海にすむワモンダコ(Octopus cyanea)は、魚たちと協力して効率的に狩りをするという論文が発表された。論文の著者が撮影。(Video by Eduardo Sampaio) タコが複数の種の魚をまとめて狩りをしているという驚きの研究結果が発表された。狩りのチームの多くはタコ1匹と2~10匹ほどの複数の種の魚で構成されていたという。論文は、9月23日付けで学術誌「Nature Ecology & Evolution」に発表された。 研究を率いたのは、ポルトガルにあるリスボン大学とドイツ、マックス・プランク動物行動学研究所の博士研究員であるエドゥアルド・サンパイオ氏だ。氏は2018~2019年に紅海で、タコと複数の種の魚たちが繰り広げる次のような行動を観察し、興味をそそられたという。 狩りはうまく行っている、と思っていたら、1匹のアカハタが勝手な行動を始めた。すると、これに気づいた

    【動画】タコが魚たちを率いて狩り、タコパンチで「喝」も、研究
  • 「肉」は膀胱炎など尿路感染症の原因になる、世界で患者が急増

    汚染された肉、特に鶏肉は、尿路感染症を引き起こす大腸菌を広めるおそれがある。畜産での抗生物質の過剰な使用も問題のひとつだ。(PHOTOGRAPH BY WILLIAM WIDMER, THE NEW YORK TIMES/REDUX) 近年、尿の通り道に起こる感染症(尿路感染症)になる人が増えている。研究によれば、世界ではここ数年、毎年4億人以上が尿路感染症にかかり、20万人以上が死亡している。尿路感染症によって失われた健康な年数(障害調整生命年、DALY)は、1990年から2019年の間に68.9%も増えた。 尿路感染症は、健康な人なら治療をしなくてもそのうちに自然に治るが、高齢者や複数の疾患を抱えている人では、抗生物質での治療が必要だ。しかし、尿路感染症を引き起こす細菌は、一般的な抗生物質への耐性を獲得しつつある。 「尿路感染症は米国の医療システムにとって非常に大きな負担となっていて、

    「肉」は膀胱炎など尿路感染症の原因になる、世界で患者が急増
  • 【動画】キノコが動かすロボットを開発、どういう仕組みなのか

    私たちの脳のニューロンが手足を動かすのと同じように、エリンギの菌糸体が光の合図に反応して電気インパルスを発し、ロボットを動かす指示を出す。(VIDEO BY ANAND MISHRA) ヒトデのような形をしたロボットが、5の脚を開いたり閉じたりしながら木の床の上をぴょこぴょこと移動してゆく。ロボットを制御しているのは真菌からの信号だ。2024年8月28日付けで学術誌「Science Robotics」に発表されたこの新しいロボットは、米コーネル大学の研究チームが開発した。 彼らは生物をヒントにし、生物と融合したロボットを作ることを目標にしていて、今回の研究では真菌が制御する車輪付きロボットも開発している。 植物、動物、真菌の細胞を合成素材と組み合わせてロボットを作る「バイオハイブリッドロボティクス」は、比較的新しい研究分野だ。これまでに、マウスのニューロン(神経細胞)を使って歩いたり泳い

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  • ホタルのオスを「女装」させるクモ、光操り別のオスを罠に、研究

    オニグモ(Araneus ventricosus)の網にかかったオスのホタル。オニグモは、ホタルが交尾相手を見つけるために使う生物発光のシグナルを操作できるのではと、研究者たちは考えている。(Photograph by Xinhua Fu) クモは、驚くほど様々な狩りのテクニックを進化させてきた。唾液を使って獲物をわなにかける種もいれば、ヘビさえも捕らえられる強力な網を張る種もいる。最新の研究では、日でもごく普通に見られるオニグモが、とりわけ巧みな戦術を使ってホタルを自分の網に誘い込んでいるという。(参考記事:「クモの驚くべき世界」) 2024年8月19日付けで学術誌「Current Biology」に発表された論文によると、このクモは、網にかかったオスのホタルが発する光を操作して、あたかも交尾相手を求めるメスが光を放っているかのように見せかけ、別のオスをおびき寄せているようだ。 クモが

    ホタルのオスを「女装」させるクモ、光操り別のオスを罠に、研究
  • 琥珀の中に新種クマムシ化石を発見、「最強生物」の進化の謎に光

    クマムシの現生種(写真はオニクマムシ属)はその並外れた生存能力で知られるが、化石は極めて珍しい。(Micrograph By Ruben Duro / SCIENCE PHOTO LIBRARY) 小さな体のクマムシは、究極のサバイバーだ。5億年以上もの間に世界中に広がり、地球で最も厳しい環境のなかも生き延びてきた。そして最新の研究で白亜紀の琥珀に閉じ込められていたクマムシの化石を分析したところ、新種や進化の歴史に加えて、ほかの生物を軒並み絶滅に追いやった大災害をどう生き延びたかについての手掛かりも見つかった。論文は2024年8月6日付けで学術誌「Communications Biology」に発表された。(参考記事:「地上最強生物!? クマムシ」) 今回発見されたクマムシは、8300万年前から7200万年前の今のカナダで、木の樹脂のなかに閉じ込められた。同じ針葉樹林には、巨大なティラノサ

    琥珀の中に新種クマムシ化石を発見、「最強生物」の進化の謎に光
  • コモドドラゴン、鉄のコーティングで歯を強化、爬虫類で初の発見

    コモドドラゴン(写真はヤギの死骸をべるオス)はインドネシアの小スンダ列島に生息する。(PHOTOGRAPH BY STEFANO UNTERTHINER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 世界最大のトカゲである「コモドドラゴン」(コモドオオトカゲ、Varanus komodoensis)の歯はすばらしい。長くて湾曲したギザギザの歯は、獲物の肉を切り裂くのに完璧に適応している。2024年7月24日付けで学術誌「Nature Ecology & Evolution」に掲載された研究により、この見事な歯が鉄のコーティングで強化されていることが明らかになった。 「爬虫類の歯で鉄を確認したことはこれまでありません。とても興味深いです」と、米ニューヨークのダーメン大学の古生物学者で、論文の共著者でもあるドメニック・ダモーレ氏は言う。(参考記事:「辰年に新種発見 火は吐かないが現実

    コモドドラゴン、鉄のコーティングで歯を強化、爬虫類で初の発見
  • 雌の性フェロモンで死んだふりから覚醒、害虫アリモドキゾウムシ

    者から回避するために「死んだふり」をするアリモドキゾウムシのオスはメスの性フェロモンを感じると覚醒することを、琉球大学農学部の日室千尋協力研究員(昆虫生態学)らが明らかにした。サツマイモ害虫であるアリモドキゾウムシの駆除には人為的に不妊化して大量に放す不妊虫放飼法が使われているが、性フェロモンをうまく組み合わせることでより効率的な駆除が可能になると期待される。 アリモドキゾウムシは、体長6ミリメートルほどのゾウムシ。東南アジアやアフリカ、北米、中南米、オーストラリアなど亜熱帯地域のほか、国内でも奄美諸島、沖縄諸島、小笠原諸島に生息する。サツマイモの害虫として知られ、い荒らされたイモは黒く変色して悪臭を放ち、苦くなってべられなくなる。 天敵であるクモや鳥の口に挟まれるような刺激を受けると、触角を折りたたみ、脚を硬直させて動かなくなる「死んだふり」をすることを2001年に共同研究者の岡

    雌の性フェロモンで死んだふりから覚醒、害虫アリモドキゾウムシ
  • 経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究

    女性アスリートは男性に比べて前十字靱帯断裂などを起こしやすいが、経口避妊薬を服用することで、けがのリスクを下げられるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY JODI COBB, NAT GEO IMAGE COLLECTION) この数十年でスポーツをする女性が増えたことで、女性アスリートのけがは男性アスリートとは違う場合があるという認識が広まっている。けがの種類によっては、負傷のしやすさにホルモンが関係している可能性を示す証拠が集まりつつあるからだ。 このほど、経口避妊薬を飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて、下肢(脚と足)の筋肉と腱のけがをする確率が約8割も下がることを示す論文が、2024年3月に医学誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表された。 「多くの女性アスリートが何らかの避妊薬を使っています」と、けがの予防と回復の性

    経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究
  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • 激写! 221年ぶりに大量発生した何十億匹もの周期ゼミ 写真9点

    米イリノイ州中央部にある約16平方キロメートルの保護区、ナチューサ草原で木に登るセミ。ナチューサ草原はセミの大群が広がるのに十分なスペースを提供した。セミが一斉に鳴き始めると、その音は耳をつんざくようなものだった。(Photograph by Keith Ladzinski) 謎に満ちたロマの守護聖人サラ・ラ・カリ、あつき信仰と巡礼 写真8点 ナショナル ジオグラフィック トラベラー英国版写真賞2024 いざなう受賞作15点 米国の中西部と南東部で今、耳をつんざくような音が響いている。17年周期ゼミと13年周期ゼミが221年ぶりに同時に姿を現したのだ。地上に出た何十億匹という周期ゼミの目的は交尾をすることであり、そのために木にとまってジージーあるいはカチカチと鳴き続ける。ナショナル ジオグラフィックの写真家キース・ラジンスキー氏はイリノイ州中央部で数日間を過ごし、周期ゼミが脱皮し、空を埋め

    激写! 221年ぶりに大量発生した何十億匹もの周期ゼミ 写真9点
  • ギザの大ピラミッド、4500年前の「建造日誌」が残っていた

    紅海のエジプト沿岸に、ワディ・エル・ジャラフという4000年以上前の古代遺跡がある。遠く海の向こうにシナイ半島を望むこの遺跡で2013年、歴史的発見がなされた。石灰岩で作られた坑道のなかで、世界最古のパピルス文書が30巻見つかったのだ。 古さもさることながら、注目すべきは書かれている内容だ。この「紅海文書」と呼ばれるものは、その昔にぎやかな港として栄えたワディ・エル・ジャラフについて明らかにしているだけでなく、クフ王の大ピラミッド建造に直接関わっていたメレルという人物の日誌も含んでいた。(参考記事:「“永遠”のギザの三大ピラミッドはどう建てた? 謎の空間も発見」) ワディ・エル・ジャラフの遺跡が最初に発見されたのは1823年。発見者の英国人旅行家で古物収集家のジョン・ガードナー・ウィルキンソンは、これをギリシャ・ローマ時代のネクロポリス(共同墓地)だと考えた。その後1950年代に、考古学好

    ギザの大ピラミッド、4500年前の「建造日誌」が残っていた
  • チャバネゴキブリは世界をどう征服したのか、250年来の謎を解明

    チャバネゴキブリ(Blattella germanica)は、約2100年前、現在のインドとミャンマーにあたる地域でオキナワチャバネゴキブリ(Blattella asahinai)から進化した可能性が高い。(PHOTOGRAPH BY OZGUR KEREM BULUR/SCIENCE PHOTO LIBRARY) 夜でもべようとベッドから起き上がり、キッチンの明かりをつけると、冷蔵庫の下にツヤツヤと光る茶色い昆虫の群れがうごめいているのを見つけた経験はないだろうか。その昆虫とはもちろん、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)だ。 この嫌われ者の訪問客は、どのようにして世界に悪名をとどろかせる害虫となったのだろうか。5月20日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された新たな研究によると、その答えはチャバネゴキブリのDNAに記されていた。 いつ、ど

    チャバネゴキブリは世界をどう征服したのか、250年来の謎を解明
  • 【解説】オランウータンが「薬草」で傷を治療、野生動物で初観察

    ラクスの行動は、インドネシア、スマトラ島のグヌンルセル国立公園内にあるスアックバリンビン研究ステーションを取り巻く熱帯雨林で観察された。研究センターは1994年から、周囲の保護林に生息したり、頻繁に姿を見せるオランウータンを観察してきた。動物たちに干渉することなく、あくまで見守る形で、その動きや行動を注意深く追跡、監視、記録している。 「決して彼らの邪魔にならないように数十年間観察を続けてきた結果、向こうも私たちのチームが近くにいることにすっかり慣れてしまいました。人間の存在を無視してもいいのだとわかり、完全に野生のままの姿を見せてくれます」と、ラウマー氏は言う。 研究センターの周辺の熱帯雨林は、スマトラオランウータンが地球上で最も密集している地域だ。オランウータンの生息地は、森林伐採によって年々縮小している。そのため、来単独行動を好むオランウータンたちが、お互いに近い場所で暮らさなけれ

    【解説】オランウータンが「薬草」で傷を治療、野生動物で初観察
  • 【動画】魚がぐるぐる回り続けて死ぬ奇病が拡大、原因不明

    2023年11月6日、ロウアー・キーズのリトル・トーチ・キー島の海で回転するピンフィッシュ。次のページにはイタヤラの幼魚の動画も。(VIDEO BY GREGG FURSTENWERTH) 2023年11月の真夜中、米フロリダ・キーズ諸島でダイビングをしていたグレッグ・ファーステンワース氏は、水中ライトの光が当たった魚を見て驚いた。ピンフィッシュというタイ科の小魚が、苦しそうにひっくり返り、ぐるぐると回転しながら海草藻場を泳いでいたのだ。困惑した氏は、水中カメラで魚の様子を撮影した。 友人や他のダイバーから回転する魚について同じような話を聞くことが増えたファーステンワース氏は、自分のボートから、あるいは夜間に波止場を歩きながら、回転する魚たちの姿を記録しはじめた。 当初、回転する魚の目撃情報はフロリダ半島の先に延びるフロリダ・キーズ諸島のうち、ロウアー・キーズと呼ばれる南部の島々の約50k

    【動画】魚がぐるぐる回り続けて死ぬ奇病が拡大、原因不明
  • ザトウクジラの交尾を初めて確認、写真も、ただしオス同士

    2頭のオスが交尾した理由は不明だが、「ザトウクジラの交尾については、世界中どこを探しても目撃例も記録もありませんでした。ですからこれは、非常に特別で驚くべき遭遇だったのです」と専門家は言う。(PHOTOGRAPH BY LYLE KRANNICHFELD AND BRANDI ROMANO) ザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)のように巨大でカリスマ性のある生物のことなど、とっくに調べ尽くされていると思われるかもしれない。しかし今回、驚くべき新たな発見がもたらされた。ザトウクジラの交尾が初めて観察されたのだ。それだけではない。海洋哺乳類科学の専門誌「Marine Mammal Science」に2月27日付けで発表された研究によると、交尾をしていた2頭はどちらもオスだったという。(参考記事:「【動画】ザトウクジラの出産の一部始終、科学者が初の観察に成功」) この発見

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  • 珍獣サイガが奇跡の回復、絶滅寸前から190万頭に、保護活動実る

    ロシア連邦カルムイク共和国のチョルニジェムリ(Chyornye Zemli) 自然保護区に生息するサイガのオス。サイガはウシ科の動物で、社会性が高く、群れで生活している。(PHOTOGRAPH BY VALERIY MALEEV/ NATURE PICTURE LIBRARY) 中央アジアの寒帯のステップ(大草原)に生息するサイガは、巨大な鼻が特徴のウシ科の動物だ。密猟と病気の蔓延により、カザフスタン、モンゴル、ロシア、ウズベキスタンのサイガは、2003年には最も多かった時代の6%まで減少していた。しかし、12月12日に発表された最新の推定によれば、現在ユーラシア大陸には190万頭が生息しているとされ、国際自然保護連合(IUCN)は、レッドリストの分類を野生での絶滅の一つ手前である「近絶滅種(Critically Endangered)」から「近危急種(Near Threatened)」に

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  • アインシュタインの脳を盗み、「天才」を知ろうとした男の悲劇

    小さく切り分けられたアルベルト・アインシュタインの脳。セロイジンという物質の中に保存されている。(PHOTOGRAPH BY STEVE PYKE, GETTY IMAGES) ノーベル物理学賞を受賞し、人類に相対性理論とE=mc2(エネルギーと質量は等価である)の公式、光電効果の法則をもたらしたアルベルト・アインシュタインが、特別な頭脳を持っていたことは確かだ。あまりに特別だったため、1955年4月18日にプリンストン病院で亡くなったとき、勤務していた病理学者のトーマス・ハービーは、アインシュタインの脳を盗み出してしまった。 アインシュタインは、個人崇拝されることを嫌い、自分の脳も体も、研究に使われることを希望していなかった。ブライアン・ビュレル氏は、2005年に著書『Postcards from the Brain Museum(脳博物館からの葉書)』のなかで次のように述べている。「ア

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  • 幻覚剤で脳の損傷を治療、発達障害の人の助けにも、盛んな研究

    マジックマッシュルームの一種「ヒルビリー」。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL CHRISTOPHER BROWN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 近年、支援が受けられる管理された環境下で使用した場合、幻覚剤は重度のうつ、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを改善することが、臨床試験やさまざまな研究からわかってきた。 現在は多くの科学者たちが、脳への物理的な損傷のほか、脳の神経経路が原因で引き起こされるその他の病気に対しても、幻覚剤が効果を発揮するのかどうかを探っている。こうした研究は、脳卒中や外傷性脳損傷(TBI)、さらにはアルツハイマー病やパーキンソン病を含む脳疾患の治療にも影響を及ぼす可能性がある。(参考記事:「「良い幻覚剤」でうつ病や依存症を治す、盛んになる研究と治験」) 幻覚剤とは、意識を変容させる物質のことを指し、たとえばリゼルグ酸ジエチ

    幻覚剤で脳の損傷を治療、発達障害の人の助けにも、盛んな研究
  • 「トゲトゲの鳥よけ」で巣を作る賢い鳥カササギ、武装化か、研究

    トゲのついた植物で巣作りをするカササギだが、なかには鳥よけ用の剣山が使えることに気付いた鳥がいるようだ。(PHOTOGRAPH BY AUKE FLORIAN HIEMSTRA) 鳥が住宅などの建造物に巣を作らないように、針状のトゲが並んだ鳥よけ用の「剣山」(スパイク)を設置することがある。ところが、ヨーロッパの鳥はこれが気にわないらしく、剣山を引きちぎって巣作りの材料に使い、巣を武装化しているという。 そんな行動を研究したのは、オランダにあるナチュラリス生物多様性センターの生物学者アウケ・フロリアン・ヒームストラ氏だ。「人間が鳥よけとして使っているものを鳥たちが利用して巣を作り、子孫を増やしてしまっています」と、氏は話す。この研究の成果は、7月11日付けで、ロッテルダム自然史博物館のオンライン学術誌「Deinsea」に掲載された。 「とても賢いやり方です。人間の対策を逆手に取る鳥たちが

    「トゲトゲの鳥よけ」で巣を作る賢い鳥カササギ、武装化か、研究