困難を前にした彼の行動を裏打ちするのが、将来に対する鮮明なビジョンです。 人はマイナスの状況に置かれたときに、なんとかイーブン、ゼロの状態に持っていこうとするものです。しかし、ピーターさんは違いました。逆境の先に、プラスの価値を生むビジョンを打ち立て、そこに向けて突き進んだのです。 性的な差別がないだけでなく、ありのままに自分らしく生きることに誇りを持てる社会。旧弊を断ち切り、まったく新しい姿に生まれ変わる企業。そして、難病患者に限らず、誰もが肉体の制約から自由になれる未来。 目先の問題への対処にとどまらず、創造的な解決策を打ち出すことは、私自身、コロナ禍におけるスローガンとして掲げてきたのですが、ピーターさんの歩みには、その真髄を見る思いです。 もちろんビジョンを語るだけならば誰にでもできます。ピーターさんのすごみは、1人では歯が立たない難事業に多数の協力者を巻き込んで、大きなムーブメン
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