石油横領罪などで実刑判決を受けたロシアの元石油王ミハイル・ホドルコフスキー受刑者について、欧州人権裁判所(仏ストラスブール)は31日、拘置や公判の中で重大な人権侵害があったとして、ロシア政府に対して同受刑者に計約2万4500ユーロ(約288万円)を支払うよう命じた。 ホドルコフスキー氏は2003年に逮捕され、脱税罪や石油横領罪などで実刑判決を受けて服役している。判決は、法廷で暴れる可能性が低いにもかかわらずケージに入れられたり、拘置場所の衛生状態が悪かったりするなどの人権侵害があったと認定。精神的苦痛を受けたとして慰謝料などの支払いを命じた。 ホドルコフスキー氏は「逮捕は政治的な意図に基づくものだ」とも訴えていたが、同人権裁判所は「逮捕には合理的な理由があった」として退けた。逮捕前にプーチン政権の野党側に資金援助をしていたため、逮捕は「政治的報復」と批判する声があった。(モスクワ=関根