30回目の節目を迎えたジャパンカップは、歴史には刻まれるが後味の悪い結末になってしまった。よもやの1位入線馬の降着処分。審議があまりに長引いたため、関係者で埋め尽くされた地下馬道に最終レースの出走馬が入ってこれず、表彰式と口取り撮影の順番を入れ替えるなど異例ずくめの事態となった。 ウイニングランで喜びを爆発させたスミヨン騎手。だが、検量に戻るとすぐに裁決室に呼ばれることになる。 検量室前には黒山の人だかり。室内のモニタにはレースのリプレイが繰り返し流され、問題の直線のシーンに差し掛かるたび「あぁ…」とか「ダメじゃねぇか?」という声が周囲から漏れた。 審議が始まって20分余りが経過した15時49分。沈鬱な表情を浮かべた松田博調教師が姿を表すと、ホワイトボードに降着を示す赤丸が記入された。ざわめきがどよめきに変わる。 口取りに備えて待機していたブエナビスタだが、結果が出たところで厩務員に引かれ