◆ヤハウェかエホバか 『ヤハウェ』とは知る人ぞ知る旧約聖書の絶対神の名前である。つまりは、ユダヤ教徒が崇拝する神、天地万物を創造したとされる唯一絶対神である。しかし、ヤハウェと言われても、一般的な日本人には馴染みのない名前であろう。というのは、日本語訳の聖書では、ヤハウェという固有名詞を全て「主」という一般名詞に読み替えているからだ。ゆえに、いくら聖書の中を探したからとて、その名前を見つけることはできない。ちなみに、新約聖書にも「主」という単語が出てくるが、あれはギリシア語の「キボトス」を訳したものであるため、ヤハウェとは違い純粋に「主」という意味の一般名詞である。 ヘブライ語の文字は22字より成り、これらはすべて子音文字である。当然、古代ヘブル語書物の表記には母音がない。ゆえに、神の名前を書き記す際には、神聖四文字(テトラグラマトン)と称される「ヨッド・ヘー・ヴァヴ・ヘー」が使用され