宇宙服のグローブを装着して作業やトレーニングを行うと、手のひらが大きいほどツメがはがれ落ちやすいことが最新の研究で明らかになった。 研究チームの一員、マサチューセッツ工科大学(MIT)の宇宙航空学者デーバ・ニューマン氏は、「船外で活動した宇宙飛行士がこぼす不都合ナンバーワンは、ツメの外傷など手のけがだ。小さな手の持ち主でもそれは変わらない」と話す。「グローブの設計は非常に難しい。手も体と同じくらい自由に扱えなくてはならないからだ」。 極低温で空気のない宇宙空間にさらされる宇宙服と同様、グローブも地球の大気圧環境をある程度再現する必要がある。しかし、ガスで予圧されたグローブは、膨らんだ風船のように硬くなってしまう。そのため船外活動(EVA)、いわゆる宇宙遊泳の際に、微妙な運動制御が難しくなる。 これまでの研究で、2002〜2004年に報告された船外活動中の宇宙飛行士のけがの症例352件