『21エモン』を読み返していると、こんな台詞が出てきた。 モンガー「落語じゃないか!」 『21エモン』の舞台は未来の地球、450年の歴史を誇るホテル“つづれ屋”の跡取り息子21エモンとその周辺の人たちの日常を描いた作品だ。しかし、21エモンには、宇宙を股にかけるパイロットになるという夢があった。この台詞は、その第一歩として月へとやってきた21エモンと仲間のモンガー・ゴンスケの三名が、『君にもできる宇宙無銭旅行』なる本を読んでいる最中に発せられたもの。 このモンガーの台詞の前には、こういうやりとりがあった。 21エモン「第一章、ロケットにただで乗る法」 モンガー「おっ、いいぞ!」 21エモン「パイロットになるべし……」 モンガー「落語じゃないか!」 これの元ネタは、古典落語『秘伝書』(『夜店風景』とも)。「1月に10円で食える法」「酒無くして酔える法」「あけっぱなしで寝ても泥棒が入らない方」