―― 一流家電メーカーも逆らえない「圧倒的優位」の力関係 家電量販店最大手のヤマダ電機。自他共に認める驚異的な成長を遂げ、業界のガリバーとなった同社。しかしそのヤマダ電機に、これまでの輝かしい成長の歴史に水を差すような事態が起きている――。 先月30日、公正取引委員会は、「優越的地位の濫用」による独占禁止法違反の疑いで、ヤマダ電機に対し、排除措置命令を出した。その対象となったのは、家電メーカー等の取引先に対する従業員の派遣要請。新装・改装オープン時において、約250社の取引先から延べ約16万6000人もの従業員たちを、「ヘルパー」として派遣させていたというのだ。さらに、その派遣された従業員たちは、本来派遣の目的とされている自社製品以外の販売促進・商品説明だけではなく、時には商品の陳列から補充まで担当することもあったという。しかも、今年5月に公正取引委員会の立ち入り調査が入るまで、無報酬、
永沢徹(弁護士) 【第15回】 2008年02月01日 マクドナルド訴訟だけじゃない。 「名ばかり管理職」蔓延の実体 日本最大手のハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」の現役店長による未払い残業代と慰謝料を求めた訴訟において、1/28、東京地裁は日本マクドナルドに対し、約750万円の支払いを命じた。そのニュースが話題となっている。 今回の訴訟で争点となったのは、店長である原告が、経営者と同等の立場であり、労働基準法上で残業代を支払わなくてよいとされる「管理監督者」に当たるかどうか。これに対し東京地裁は、裁量権や待遇の面から見ても店長は管理監督者には当たらないと判断、店長=非管理職として、一般社員と同様に残業代を受け取る権利があることを認めた。 管理監督者=管理職 は正しいのか? 管理職には残業代が出ないというのは、実は大きな「間違い」である。労働基準法上は、『管理監督者には残業代
週刊ダイヤモンド編集部 【第1回】 2008年07月03日 炭素繊維トップの東レに猛追撃 帝人の切り札は“ベンチャー” 航空機や次世代自動車の有望素材として注目される炭素繊維。日本勢が世界の7割以上の生産を任い、東レがトップシェア(推定34%)を握っている。帝人がここに猛追撃をかけ始めた。 同社は2007年に炭素繊維の生産量で東レに次ぐ東邦テナックスを完全子会社化したが、今年7月には、静岡県御殿場市にあるベンチャー企業、ジーエイチクラフト(GH)を買収する。東邦テナックスの研究者や帝人の樹脂研究者をここに集結させ、複合材料開発センターをつくる方針だ。 GHの子会社化のために投じられる資本は約10億円と“小粒”ではある。だが、この会社、炭素繊維研究者のあいだではよく知られている。ヨット好きの木村學社長が38年前に創業したベンチャーで、繊維に樹脂を染み込ませた炭素繊維強化プラスチック(C
あるメガバンクのホームページを見ると、個人年金商品の取扱商品は、ふたつのカテゴリに分かれている。「投資型年金保険」と「定額年金保険」だ。 投資型年金保険には変額年金保険がずらりとラインナップされている。一方の定額年金保険には、円建ての固定金利型・利率変動型個人年金のほか、違和感を禁じ得ないが「外貨建個人年金保険」もここに含まれる。 円建てでの受取額は 「為替」次第 外貨建個人年金保険の基本的なしくみは、一般的な円建ての個人年金保険と同じだ。支払った保険料を保険会社に運用してもらい、あとで年金や一時金として受け取る。ただし円ではなく、ドルやユーロ、豪ドルなどの外貨で運用されるため、円建てよりも運用利率は高めとなる。また契約時点で将来の年金原資が決まっているから定額年金保険とされている。 とはいえそれは外貨建てでの話であって、円での受取額はもちろん為替動向次第。外貨で受け取らないなら契
「『特売は年間18週限り』とメーカーから規制されましたので、誠に不合理とは存じますが、やむを得ず、キリンビールは年間18週のみの販売となりました」 中堅食品スーパー、オーケーの酒売り場に前代未聞の張り紙が登場して、知る人ぞ知る話題となっている。 オーケーストアは「高品質・Everyday Low Price」をスローガンに掲げ、ナショナルブランド商品については地域一番の安値を保証する手法で急成長。酒類販売でも有名で、同社の新用賀店はサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」をスーパーのなかで日本一売った店としても知られている。 そんなオーケーストアの店頭から、キリンビールの商品が姿を消した。 というのも、冒頭の張り紙でわかるように、キリン商品の特売が年間18週に制限されたため、売り切れ時点で販売終了とせざるをえなくなったからだ。この6月になっても、2月に値上げしたキリンのビール系飲料を値
再生紙偽装問題で世間を騒がせた製紙業界に、新たな問題が浮上していることが本誌の取材でわかった。環境に配慮していない原料を購入している可能性が出てきたほか、一部の印刷用紙について第二の表示偽装とも取れる問題が明らかになった。そこに共通するのは、相変わらずのコンプライアンス意識の希薄さである。 4月末、日本製紙、王子製紙など複数の国内製紙会社の環境認証担当者のあいだに激震が走った。森林の環境認証団体であるFSC(森林管理協議会)が、主要原料調達先であるオーストラリア・ガンズ社の木材チップを7月21日以降はFSC認証紙に混ぜてはならないとの勧告を出したのだ。 FSCは日本で最も普及している森林認証。違法伐採の排除、環境保全や持続可能な森林管理を義務づけている。この認証がある製品は「環境に優しい」という錦の御旗を掲げることができるため、購入する側のインセンティブにもつながる。身近なところではセ
週刊ダイヤモンド編集部 【第37回】 2008年07月04日 コンテンツビジネスの最先端を走り続ける プライムワークス社長 池田昌史 20年前には聞かれなかったが、今日では頻繁に耳にする単語の一つが「コンテンツ」。池田昌史はコンテンツという言葉が世に定着していくシーンで常に最先端にいた業界の有名人だ。 池田のコンテンツという概念の源は、学生時代のロックバンドや、オーケストラなど音楽活動だという。音楽の主役は楽器でも会場でもなく、演奏家であり、楽曲であるという当然のことが刷り込まれたからだ。 社会人の出発点は、母校慶應義塾大学の近所にあったNECへの親近感と、「大会社はいやだ」との思いで選んだNEC関連会社の新日本電気。ここがNECグループのコンテンツ関連ビジネスも取り扱う会社だった。 池田が社会人になった1980年代前半は、文字放送の登場などで「ニューメディア」という言葉が持て囃さ
日経電子版の総合投資・金融情報コーナー。株式・為替から債券、商品、新興国市場など国内外の最新マーケット情報はもちろん、第一線の記者による分析・解説記事を豊富に提供します。企業の最新ニュースや詳細な株価・財務データを提供するオンライン版の「日経会社情報」、チャートや銘柄管理ツールなどの便利な機能も充実しています。
投信の購入を検討する場合、どんなファンドを選べばよいか? この質問をするとき、多くの方はパフォーマンス(運用)の良さを念頭においているでしょう。しかし、実はそれ以前に、しっかり見極めるべきことがあります。大切な自分の資産を育てる道具にふさわしい、長期的な視線で販売されているファンドかどうか?という「継続販売信頼度」です。 これを知る目安になるのが、継続的に資金が流入しつづけているファンドのランキングです。5月末の追加型投資信託は約2680本ありますが、12か月間続けて資金流入超のファンドは、果たして何本あるでしょうか? 2.2%、59本しかないというショッキングな事実 もう少しこのランキングについてご説明しましょう。投資信託はまだまだ消費者が商品を自分で選ぶことは少なく、店頭で紹介される商品の中から購入する方が大半を占めています。古いファンドは販売員の優先順位が低く(6月19日のランキング
世界中の「利回りを求めお金」が、新興国の株式⇒コモディティー⇒資源国の通貨や株式、そして今後は食糧関連や環境技術関連へと、次々と標的をシフトしながら「イナゴの群れ」のように徘徊しています。 いったん標的にされ、短いブームが去った後は、まるでイナゴの群れが去った後のように、少なくとも価格は、まるで価値がなくなったかのような状況になります。 「イナゴの群れ」に比ゆすると確かに分かりやすいのですが、イナゴの群れの場合、そこに本当に「現物の獲物」が存在する場合にのみ食い散らかすことができるのに対し、「お金」は、仮に現物の価値がなかったとしても、現実の価値が価格が示すほどでは無かったとしても、お金自身が価格を吊り上げ、その後、お金が逃げ出す過程で、逃げ遅れた権利保有者が損失を被ることになります。 これらバブル形成と崩壊の繰り返しの一つの原因は、「順張り投機」にあると思います。 僕の投資スタイルは、こ
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