2010年9月17日 田中 宇 9月7日、沖縄県の尖閣諸島・久場島の沖合15キロの海上で、中国のトロール漁船が、違法操業を捜査しようと追いかけてきた日本の海上保安庁の巡視船を振り切ろうとして衝突し、船長らが公務執行妨害で海保に逮捕される事件が起きた。当時、この海域では100隻以上の中国漁船が漁をしていた。 尖閣諸島の一部である久場島は、日本が実効支配しているが、中国と台湾(中華民国)も領有権を主張している(久場島の中国名は黄尾嶼。日本でも昔は黄尾島と呼んでいた。中国は、尖閣諸島を台湾省の一部と見なしている)。日本側から見ると、中国の漁船は日本の領海(領土である久場島から12海里=22キロ以内の海域)に侵入して違法に漁をしており、日本の刑法上の公務執行妨害で逮捕した。しかし中国側から見ると、中国台湾省の一部である島の沖合いの中国領海内で、操業中の自国漁船が、外国当局である日本の海保に捕まった