序論 現在の人工知能は人間の頭脳とはまったく異なるメカニズムで動作している。能力も単純な処理においては人間を遥かに凌駕する面もあるが、柔軟性、全体性、総合性において人間の知能とは比べ物にならない程度の低次な能力しかもっていない。しかし、人工知能研究は人間の頭脳を解明することにも繋がる。このリポートの目的は人工知能とは何かを明らかにし、それをもって人間の知性とは何かを問うことにある。以下、人工知能研究の変遷を概観し、後に詳細に解説する。 人工知能研究の変遷 1943年 神経生理学者が神経回路の数学的モデルを提唱 1946年 史上初のコンピューター『ENIAC』完成 1950年 数学者チューリングが『計算機構と知能』という論文を発表。知能の実現にはまず知識のない赤子を作り、それに教育を施し、遺伝的に進化させる方法が良いと提案 1956年 マッカーシらがチューリングの提案したような時間のかかる方

