――コロナ禍の影響がいろいろな場面であったと思います。20年度のこれまでを振り返っていかがですか。 松田洋祐氏(以下、松田氏) 20年度の業績という観点では、コロナ禍の影響は限定的でした。『FINAL FANTASY VII REMAKE』(以下、FFVII REMAKE)は、製造から販売までのルートを確保し、20年4月10日に予定通り発売できたことで、20年度の業績に貢献しました。 『FFVII REMAKE』のように発売直前まで制作が進行していたタイトルよりも、開発途中のタイトルのほうが、コロナ禍のインパクトが大きいと考えており、現段階でもその影響を引きずっている状況です。 「巣ごもり消費」の効果による一過性の要因によって、ゲーム業界全体として売り上げが伸びている印象を持たれがちですが、経済全体を俯瞰(ふかん)した場合、コロナ禍の状況が続くことは健全な状態ではないと思います。コロナ禍に