足元の市況上昇はどこまで続くのか──。主に中国向けの鉄鉱石を運ぶ大型バラ積み船(ケープ船)の用船料(船の賃貸料)が、このところ急騰している。 4月ごろは1日当たり4000ドル台と低水準だったスポット契約の用船料だが、9月初旬には1年8カ月ぶりに2万ドル台を回復。9月26日現在、3年ぶりとなる4万2000ドル強まで急上昇している(トランプデータサービス調べ)。日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船大手3社は7~9月のケープ船の用船料を1万~1万1000ドルと見ていたが、予想を大きく上回って推移している。 ケープ船の運航コストは1日当たり2万ドル程度。前期末にバラ積み船130隻を減損処理した商船三井の場合、ケープ船の1日当たりのコストは1万5000ドル程度まで下がっているもよう。採算の改善は顕著で、10月にも今期の業績見通しを上方修正する会社が出てきそうだ。 全世界での鉄鉱石の荷動きの6割超を占め