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ブックマーク / tamarunoboru.cocolog-nifty.com (35)

  • 6月8日に開かれた日本将棋連盟の通常総会: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

  • 4月27日の連盟理事予備選挙で佐藤九段、森内九段、清水女流六段など7人が内定: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    【新刊紹介】 私こと田丸昇九段が著した『名棋士の対局に学ぶ 詰め&必死』が発売中。※創元社・1000円(税別)。 大橋宗桂、阪田三吉、大山康晴、羽生善治など、江戸時代から現代までの古今の名棋士たちの実戦譜を題材にした問題集。各問題にはそれぞれの棋士のエピソードを添え、コラムでも名棋士たちの魅力的な一面を紹介。将棋歴史を振り返りながら、終盤の寄せの力を鍛えられます。 4月27日に将棋連盟の会長・常務理事らの任期満了にともなう「役員予定者予備選挙」が東西の将棋会館で行われました。立候補した棋士は、東京(理事定数は5人)は、佐藤康光九段、森内俊之九段、田中寅彦九段、森下卓九段、鈴木大介九段、瀬川晶司五段、清水市代女流六段らの7人、関西(同2人)は、井上慶太九段、小林健二九段、脇謙二八段らの3人。【順不同。以下も同じ】 236人の正会員(現役棋士・引退棋士・女流棋士)のうち、当日の出席者は216

  • 田丸が三浦九段と半年ぶりに再会。将棋連盟の理事選挙での立候補者たちの公約: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    【追記・4月26日】 現在発売中の『別冊宝島スペシャル』の中で、田丸が「知られざる加藤一二三伝説」という内容の評論記事を掲載。他に今年の春に引退が内定した森雞二九段へのインタビュー記事も掲載。 ※宝島社刊。定価500円。主にコンビニの「セブンイレブン」で販売。 私は夕刊紙『日刊ゲンダイ』の知り合いの記者から要請されて三浦弘行九段への取材を仲立ちし、4月中旬に都内の同社で行われたインタビュー取材の場に同席しました。 写真は、私と三浦九段(右)。昨年9月に将棋会館での会合で見かけたとき以来ですから、半年ぶりの再会でした。三浦九段にとっても私にとっても、激動の半年間でした。 三浦九段は一連の「冤罪問題」について、当時の心境や経緯について淡々と語りました。その取材の数日前に銀河戦の対局で勝ち、今年2月に公式戦に復帰して以来、5局目で初勝利を挙げました。そのせいもあって晴れやかな表情でした。しかし、

    田丸が三浦九段と半年ぶりに再会。将棋連盟の理事選挙での立候補者たちの公約: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き
    Syunrou
    Syunrou 2017/04/22
  • 将棋連盟の理事制度と理事選挙について: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    私がこのブログで書いた三浦弘行九段の「冤罪問題」については、多くのコメントが寄せられました。その中から、いくつか取り上げて私の見解と実情を述べます。 「将棋連盟の理事は相撲協会のように、理事全員が引退棋士で担うということはできないのでしょうか。現役棋士と役員の兼務は大変だと思います。引退棋士なら人生経験が豊富で、理事の仕事に専任できます」という内容のコメント(1月26日)は《こうめい》さん。 三浦九段の「冤罪問題」では、前常務会の当初の措置や以後の対応について、棋界の内外から批判が相次ぎ、結果的に谷川浩司(九段)会長をはじめ5人の理事が辞める事態となりました。そんな状況を踏まえて、現役棋士が理事を務めるのは大変ではないか、という外部の人たちの声があります。ただ相撲界では大半の力士が30代までに引退しますが、将棋界では大半の棋士が60歳ぐらいまで現役でいます。ですから単純な比較はできません。

  • 青野九段、中川八段、片上六段らの3人の理事が解任された2月27日の臨時総会: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    2月27日に午後1時から東西の将棋会館において、東西の会場を映像と音声でつないだ「テレビ電話」システムを使って将棋連盟の臨時総会が開かれました。三浦弘行九段の問題に基づいて、専務理事の青野照市九段、常務理事の東和男八段、中川大輔八段、佐藤秀司七段、片上大輔六段らの5人の理事解任を決議することが主要議案です。約90年の連盟の歴史で、前代未聞の事態となりました。 総会の冒頭で、2月6日の臨時総会で連盟会長に就任した佐藤康光九段が「どのような結果になっても、わだかまりが残らないようにしていただきたい」と挨拶した後、議長に佐藤義則九段、副議長に小林健二九段を指名しました。 まず最初に、5人の理事解任を請求した28人の棋士の中で、発起人を務めた3人の1人である西尾明六段が趣旨説明しました。その要件は2月7日のこのブログで紹介したように、「常務会は、①連盟の正会員である棋士の立場を守らず、棋戦運営に支

  • 5人の理事への解任動議が議決される2月27日の臨時総会: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    私は1972年(昭和47年)に四段に昇段して棋士になってから45年間、将棋連盟の総会(通常総会、臨時総会)にほとんど出席してきました。その間、議論がもつれて閉会が明け方の4時に延びたり、将棋会館の建設を巡って理事会(現在の常務会)が総辞職したり、名人戦の契約問題に関する投票で2票差の僅差になったりと、深刻な事態に至ったことが時にありました。しかし今年の2月27日に行われる臨時総会で、5人の理事への解任動議が投票で議決されるようなことは前代未聞です。 そもそも昨年10月に竜王戦のタイトル戦の開幕直前に、保持者の渡辺明竜王が挑戦者の三浦弘行九段に「スマホ不正使用」の疑いがあると告発し、それを受けた常務会が確たる証拠がないのに、わずか2日で三浦九段を出場停止処分にしたこと自体が異常でした。そして連盟から委嘱された「第三者調査委員会」の報告によって、12月に三浦九段の無実が証明され、三浦九段は今年

  • 佐藤康光九段が将棋連盟の会長に就任した2月6日の臨時総会の模様: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    【追記・2月13日】 2月13日に発売された『週刊ポスト』(2月24日号)が《三浦九段「冤罪騒動」は終わらない!   将棋連盟「紛糾総会」大混乱の現場》というタイトルで、2月6日に行われた将棋連盟の臨時総会の生々しい模様を報じていて、理事解任動議を提出した28人の棋士の中で発起人を務めた3人の棋士の実名を挙げています。『ポスト』誌は今後も三浦九段の問題を取り上げていくそうです。 【2月7日に更新した記事】 2月6日に東西の将棋会館において、東西の会場を映像と音声でつないだ「テレビ電話」システムを使って将棋連盟の臨時総会が開かれました。235人の正会員(現役棋士・引退棋士・女流棋士)のうち、出席者は186人(40人の委任状を含む)でした。 1月18日に連盟会長の谷川浩司九段と常務理事の島朗九段が辞任を表明して欠員が生じたことにともない、総会に先立って正午から理事選挙(定数は東京1人・関西1人

  • 三浦九段の問題で東西の棋士が数多く出席した1月23日の月例報告会の模様: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    【追記・1月31日】 私が1月26日に公開したこのブログの内容は大きな反響を呼びました。26日のアクセス数は3万にも達し(通常の20倍)、その後も高い数字が続いています。この問題の情報が今までいかに少なかった(隠された)表れでもありました。また、ネット上の「2ch名人」にも取り上げられ、どちらも数多くのコメントが寄せられました。それらの中には、関連する棋士たちへの辛辣な批判が見受けられましたが、多くは将棋界の行く末を心配するものでした。私はそうした将棋ファンの思いに応えるために、今後も情報発信に努めていきます。 三浦弘行九段の師匠の西村一義九段が30日に発売された「週刊ポスト」で、将棋連盟の常務会を痛烈に批判しました。そのほかにもいろいろな動きがあります。私も2月6日に行われる連盟の臨時総会の成り行きを見て、何らかの形で新たに行動するつもりです。 私は2月1日~2日に栃木県大田原市で行われ

  • 謹賀新年。2017年の将棋界は激動の年になりそうです: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    【追記・1月10日 日将棋連盟のホームページの「将棋コラム」の欄に、私こと田丸昇九段のインタビュー記事が載っています。前編のテーマは「兄弟子の米長邦雄永世棋聖との思い出の一局」、後篇は「若手棋士時代のエピソード」。】 私こと田丸昇九段は昨年の10月25日に引退して以降、指導や執筆などの仕事が立て込んで忙しく過ごしてきました。現在も、3月に刊行予定の技術書の執筆で正月返上の日々です。そんなわけでブログの記事の更新が2ヵ月ぶりになってしまいました。 10月12日に発覚した三浦弘行九段の「将棋ソフト不正使用」の問題については、将棋連盟から委嘱された「第三者調査委員会」(元検事総長など3人の法律家で構成)が12月26日に調査報告を発表して一区切りつきました。 その骨子は「対局中に不正行為に及んでいたと認める証拠はない」というもので、三浦九段の無実が証明されました。また、三浦九段の公式戦出場停止処

  • 三浦九段のスマホ不正使用疑惑の余波で、田丸の竜王戦の対局が読売に掲載: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    新聞やテレビの報道でご承知のように、将棋界に大激震が起きました。 将棋ソフトの棋力の飛躍的な進化によって、現代では多くのプロ棋士がソフトを使用して将棋の研究に取り組んでいます。最善手や形勢判断、詰みの有無など、棋士でも参考にしているのが実情です。 棋士が対局中にスマートフォンなどの電子機器を使用し、ソフトで前記のことを検索するのはもちろん禁止されています。ところが不正行為が疑われるようなことがあった、という指摘が一部の棋士から出ていたそうです。 将棋連盟の常務会(旧理事会)はその防止策として、「対局中は電子機器をロッカーに預ける」「対局中は外出できない」などの規定を決定し、12月14日から施行すると10月上旬に発表しました。その矢先に浮上したのが三浦弘行九段のスマホ不正使用疑惑でした。 常務会は、三浦九段が今年の夏以降に「対局中にやたらと席を立つことがあり、時には10数分も離席していた」と

  • 竜王戦の対局に勝って現役期間がもう少し延びました: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    私こと田丸昇九段は9月27日に竜王戦・昇級者決定戦で近藤誠也四段と対戦しました。 近藤四段は20歳の若手精鋭です。C級2組順位戦で4連勝していて、王将戦でリーグ入りしました(1989年の屋敷伸之四段以来、新四段として27年ぶり)。今期の勝率は8割を超えています。 一方の私は今年の4月で引退が内定していて、局に敗れると引退が正式に決まります。誰が見ても、私が勝てる見込みはありません。それは自分自身がよくわかっています。ただ同じ負けるにしても、悔いのない将棋を指そうと心がけました。 私は矢倉模様から急戦調の指し方を採りました。1980年代に兄弟子の米長邦雄永世棋聖が用いて武器にした手法です。現代では「絶滅危惧種」の戦法で、用いる棋士はほとんどいません。私は20年ほど前から、自分なりの工夫を取り入れてよく指しています。引退がかかる局はその戦法を用いました。 とにかく勝負は二の次です。華々しく

  • 囲碁界で井山七冠の誕生、さらに進化した将棋ソフト、羽生三冠が叡王戦に初出場: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    今年の4月20日、囲碁棋士の井山裕太名人(当時26歳)が十段戦で伊田篤史十段を破って十段を獲得しました。その結果、囲碁界で初めて七冠(名人、棋聖、因坊、王座、天元、碁聖、十段)を制覇する偉業を達成しました。 井山七冠は2013年に六冠を獲得した後、四冠に後退して足踏みしました。しかし昨年から今年にかけて、公式戦で24連勝、タイトル戦で通算18連勝して絶好調になりました。苦戦に陥っても逆転を果たす神がかった強さが際立っていたそうです。そして3年越しで七冠を制覇しました。 将棋界では20年前の1996年2月、羽生善治六冠(当時25歳)が王将を獲得して七冠制覇を達成しました。その前人未踏の偉業は、テレビのニュースや街の電光掲示板の速報で全国にたちまち流されました。翌朝の新聞は全紙が1面で報道し、スポーツ紙の見出しには羽生の2文字が大きく載りました。羽生はNHKと民放各局の情報番組に出演して喜び

  • 「貴族」の愛称がある佐藤天彦・新名人の盤上盤外: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    写真は、4月5日・6日に東京・目白「ホテル椿山荘」で行われた名人戦(羽生善治名人―佐藤天彦八段)第1局の前夜祭での光景です。 羽生名人(45歳)は「近年はタイトル戦で若い世代の人と対局することは珍しくありませんが、ついに名人戦でもそうなったかと感じています。棋士として30年間続けてきた中で、いま出せるものを出していきたいと思います」と挨拶しました。 挑戦者の佐藤八段(28歳)は「第一線でずっと活躍してきた羽生名人と戦う名人戦の7番勝負では、自分らしく一手一手を大切に指したいと思います」と挨拶しました。 第1局1日目の5日に『ニコニコ生放送』の番組で解説者を務めた私は、前夜祭の会場で話の種を仕入れました。佐藤八段の家族(母親・兄・姉)にも話を伺いました。とてもユニークな名前の「天彦(あまひこ)」は、天という言葉が好きな母親が付けたそうです。佐藤は4歳のときに母親に将棋を習いました。8歳のとき

    「貴族」の愛称がある佐藤天彦・新名人の盤上盤外: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き
  • 名人戦で挑戦者の佐藤天彦八段が羽生善治名人を4勝1敗で破り、佐藤新名人誕生: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    Syunrou
    Syunrou 2016/06/04
  • 田丸が竜王戦で対局した関西の奨励会員が退会、免状授与式での井出隼平新四段: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    ブログの記事を2ヵ月ぶりに更新します。将棋界ではその間にいろいろなことがありました。順に追ってテーマにしていきます。 私は3月24日に竜王戦の6組ランキング戦3回戦で、関西奨励会の石川泰三段と関西将棋会館で対局しました。私が初めて見た21歳の大学生でもある石川三段は、理数系というよりも体育会系のようながっちりした体型が印象的でした。なお局の記録係を務めたのは里見香奈・奨励会三段で、私は初めてのことでした。 石川三段の中飛車に対して、私(先手)は角筋を開けずに9筋に角が出る手法を採りました。昨年の竜王戦で近藤正和六段との対局で用いた経験がありました(結果は田丸が勝ち)。 上の図は石川三段が△6四歩と突いた中盤の局面で、お互いの角が利いて動きにくい状況です。相手は次の△6三金で高美濃に組むと十分な形になります。そこで私は▲9五歩△同歩▲9三歩△同香と9筋に細工をしてから、▲2四歩△同歩▲5五

    田丸が竜王戦で対局した関西の奨励会員が退会、免状授与式での井出隼平新四段: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き
    Syunrou
    Syunrou 2016/05/31
  • A級順位戦の最終戦で佐藤天彦八段が名人戦に初挑戦、残留争いは波乱の結末: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    将棋界のいちばん長い日」といわれるA級順位戦の最終戦が2月27日に東京の将棋会館で一斉に行われました。昨年は挑戦者争いが大混戦になり、最終戦の勝敗によっては8人によるプレーオフの可能性もありました。そして4人(行方尚史八段、渡辺明二冠、久保利明九段、広瀬章人八段)によるプレーオフの結果、行方八段が名人戦の挑戦者に初めてなりました。※棋士の肩書は当時。以下も同じ。 今年は最終戦で7勝1敗の佐藤天彦八段と6勝2敗の行方八段が対戦しました。佐藤が勝てば名人戦の挑戦者に初めてなり、行方が勝てばプレーオフで佐藤と再戦します。行方は大山康晴十五世名人の弟子で、佐藤は大山の弟子の中田功七段の弟子。天上にいる大山先生は、弟子と孫弟子の挑戦者争いをじっと見守っていたことでしょう。 行方―佐藤戦は横歩取りの流行形から激闘が繰り広げられました。終盤では佐藤が勝ち筋のようでしたが、意外に難しくて一時は形勢が逆転

  • 田丸の弟子の井出隼平三段が最終日の時点で確率が1%弱の厳しい状況で奇跡の四段昇段: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    第58回三段リーグ(2015年10月〜16年3月)の17回戦と18回戦の対局が最終日の3月5日に東京の将棋会館で一斉に行われ、私こと田丸昇九段の弟子の井出隼平三段(24歳)が昇段への確率が1%弱という厳しい状況で奇跡的な四段昇段を果たしました。 写真は、井出がいつも研究場所にしている東京・荻窪「将棋サロン荻窪」で、当日の夜に師弟で昇段の喜びを分かち合っているところです。 このブログには多くの方から祝福コメントが寄せられました。厚く御礼を申し上げます。 今年の3月で引退が内定している私としては、現役中に井出が四段に昇段することをずっと願っていました。しかし3年前の第52回三段リーグで昇段のチャンスを逃して以降は成績が低迷していました。 井出は今回の三段リーグでも前半で4勝5敗と負け越しましたが、後半で追い込みました。最終日を迎えた時点で、14勝2敗の都成竜馬三段はすでに四段昇段が決定していて

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  • 田丸が現役最後の竜王戦の吉本悠太・アマ竜王との対局で強烈な攻めを放って勝利: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    私こと田丸昇九段は2月5日に竜王戦・6組ランキング戦の2回戦で吉悠太アマ(21歳)と対局しました。昨年のアマ竜王戦で最年少記録で優勝した吉アマは、特別出場した竜王戦の1回戦で若手棋士の石井健太郎四段に勝ちました。 振り飛車を得意とする吉アマ(上側の後手)は四間飛車に振り、8手目に△8八角成として角交換振り飛車の戦型を採りました。アマ竜王戦ではほぼ全局を四間飛車穴熊で戦い抜いたそうです。私はそれを予想して作戦を考えていたので、少し意表を突かれました。 私は序盤の17手目の局面で、▲5六角と中段に打って相手の3四の歩を取りました。あまり考えずにその場の思い付きで指したものです。実戦経験はなく研究したこともありません。たぶん同一の実戦例はないでしょう。予想した戦型にならなかったので、定形から離れて自由に指してみようと思ったのです。 私が打った▲5六角は、▲3四角~▲1六角~▲3八角と移動し

    田丸が現役最後の竜王戦の吉本悠太・アマ竜王との対局で強烈な攻めを放って勝利: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き
  • 新しいプロ公式戦の「叡王戦」は優勝者が最強将棋ソフトと2番勝負で決戦: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    「電王戦」の主催者のドワンゴが6月18日、新しいプロ公式戦を新設することをを発表しました。その棋戦の名称は公募が実施されました。そして3422件の応募総数の中から9件が最終候補に残り、ニコニコ生放送のユーザー投票によって「叡王戦」に決まりました。命名者(男性・30代)の方は「知恵や叡智を争う将棋の頂点にふさわしい名称」と考えたそうです。 「叡」という単語で連想するのは、天台宗の総山の延暦寺がある京都の比叡山です。ただあまりなじみがないので漢和辞典で調べてみました。①賢い②深く事理に通じる③天子(天皇の特称)の行為や状態に添える語、という意味です。①は叡哲、②は叡敏、③は叡慮などの熟語があります。最先端のIT企業が主催する新棋戦の名称で、このような深みのある単語が用いられたのは何とも対照的で面白いです。 最終候補に残ったほかの名称は、覇王戦・賢王戦、仁王戦、棋帝戦、棋神戦などです。いずれも

  • 26歳の糸谷哲郎・新竜王の誕生と、41歳の今泉健司さんがプロ編入試験に合格: 田丸昇公式ブログ と金 横歩き

    12月3・4日に行われた竜王戦(森内俊之竜王―糸谷哲郎七段)第5局で、26歳の挑戦者の糸谷七段が勝って4勝1敗とし、初タイトルとなる竜王を獲得しました。同時に八段に昇段しました。 森内竜王は第4局に続いて、第5局も勝ち将棋を落としました。そのような逆転が起きた背景には、不利な形勢でも粘り強い受け方で決め手を与えない糸谷七段の独特の勝負術があったと思います。 第5局では角換わり腰掛け銀の戦型から、糸谷七段が穴熊に玉を囲いました。森内竜王が穴熊をじかに攻めると、糸谷は自陣に銀を連打して徹底的に受けました。終盤では4枚の銀で穴熊の玉を守るという珍しい局面も出現しました。糸谷がそうして頑強に守っているうちに、森内が寄せを誤ってついに逆転劇が起きたのです。 糸谷・新竜王は2006年の新四段時代、才気あふれる将棋の指し方や堂々たる言動から「怪物くん」という異名がつきました。一方で大阪大学に入ってハイデ