ドイツの老舗スポーツカーメーカー、ポルシェはこの秋、年に1度の公式イベントを開いた。その名も「ポルシェサウンドナイト」。耳をつんざくような音と、ガソリンの匂いが、アリーナ状の会場にいるポルシェファンたちを沸かせる。 1970年のル・マン世界耐久選手権(WEC)で優勝した「917Kh」や1986年にパリ・ダカールラリーで伝説の勝利を遂げた「959」など、往年のポルシェのレーシングカー13台が集まり、エンジンが唸る音を聞く、というかなりマニアックな集まりだ。 「EVでもポルシェファンを裏切らない」 約3600人の客は、ポルシェの車や歴史はもちろん、エンジンのファンでもある。彼らの心配はみな同じだ。「ポルシェが電動化したら、ポルシェの走りは、音はどうなってしまうのか」。今年創業70周年を迎えたポルシェ。エンジンには並々ならぬこだわりがあるメーカーだが、来年には初の電気自動車(EV)「タイカン」を