「出来るだけ早く調査結果を公表する」――。 3日、都内で記者団にこう語った理化学研究所の野依良治理事長の表情は硬かった。それもそのはず。理研の小保方晴子ユニットリーダー(30)らが英科学誌ネイチャーに発表した万能細胞「STAP細胞」の論文をめぐる“疑惑”が次々に明らかになっているからだ。 01年にノーベル化学賞を受賞した野依理事長は、この問題の影響が国内で収まらないことを十分理解しているはずだ。トップがコミットメントすることで、騒動の沈静化を狙ったのだろうが、論文の不自然さを指摘する声は後を絶たない。日刊ゲンダイ本紙は先週、小保方論文の“コピペ”疑惑を報じたが、今度はその論文中に「あり得ない記述がある」と大騒ぎになっている。 「小保方論文では、実験にライカ社製の蛍光顕微鏡とフォトメトリクス社のCCDカメラを使った、と記されています。これらは90年代後半の器具で、今は現場でほとんど見ら