「儲かることだったら異論はない」と、実利先行で団結する大阪・黒門市場。伝統にこだわって客が減ってしまっては元も子もないと、外国人観光客の誘致を開始した。市場にあるものは何でもその場で味わえるという大胆な仕組みが、バカ受けしている。 黒門市場と言えば戦前から続く大阪ミナミの台所として、大阪の庶民に愛され、ミナミの繁華街の飲食店に食材を供給し続けてきた。そんな長い伝統を持つ黒門市場の様子がいま、一変している。外国人観光客が大挙して押しかけているのだ。商店街を歩く人の半分以上が、間違いなくアジア系を中心とした旅行者になっている。 昨年1年間に日本を訪れた外国人客は1341万人と前年より300万人も増えた。円安を引き金に、日本での買い物などを目当てに台湾、中国、香港などからやって来ているのだ。 いまやそうした外国人消費をどう取り込むかが、地域を活気づかせる切り札になっている。そんな外国人集客の成功