――米国市場の好調ぶりをどう受け止めていますか。喜びなのか、それとも危機感でしょうか。 これだけスバルというブランドを買っていただけるのは喜び。ただ、やはり社内の課題として、急成長に伴うひずみもある。物流や部品の供給体制など、今は必死になってインフラ関係を追いつかせようとしている。私が一番強く言っているのは「とにかく安全と品質だけは何があっても最重要だ」ということ。 需給が逼迫すると、製造部門は「ラインを止めるわけにはいかない」という気持ちになりがちだが、品質にちょっとでも不安があれば止める。供給が足りないことは反省すべきで、もちろん整備していく。ただ、ここ(品質)が崩れると、根っこから崩れてしまう。 われわれの強みは前身の飛行機会社(中島飛行機)のDNAから来ている。この特徴を一言でいうと「安心と愉しさ」。だから社内の安全基準が異様に高い。よそから言われてやったのではなく、最初から高い。