測定データの微分を計算する際に、「Savitzky-Golay 法」がよく用いられる。平滑化フィルタとしても使われる。そんな SG 法の話。 微分値を得る原理はシンプルで、微分係数を知りたい点に近いある範囲のデータを多項式で近似して、その1次の係数を微分値とするわけだ。多項式近似は最小自乗法で行うが、これはただの連立方程式なので(計算誤差の範囲で)厳密に解ける。ここまではデータの間隔が一定でなくとも使える方法で、僕はこれを SG 法と勘違いしていた。 しかし、SG 法の工夫はデータを多項式近似することではなく、データの間隔が一定という条件のもとに計算量をうんと減らせる点にあった。具体的には、ある点の微分係数を、その点に近いある範囲のデータを適当な重みで足し上げることで求めることができる。これは便利。Savitzky と Golay による 1960 年代の論文には、データを足し上げるときの