さて、主にロボカップ・シミュレーションリーグの話をしてきた。 しかし、ロボカップの大会そのものは、それだけでは終わらない。 いずれ、プレイヤーの意思決定を司る人工知能が、シミュレーションリーグから巣立ち、今よりもずっと完成度の高い人型ロボットに搭載される日がやってくる。その日のために、実機の開発と競技も様々なカテゴリーに分かれて行われている。遠大な目標に向けて、全方位展開なのである。 実をいえば、ぼくがロボカップに出会ったのは今回のメキシコシティではなく、2004年ポルトガルのリスボン大会だった。同時期にサッカーのユーロ選手権が同国で行われており、ぼくはそちらを見に行ったのだが、試合がないある日、ふと街角で「ロボカップ」のポスターを見つけ「もうひとつのサッカー選手権」にふらふらと入り込んだ。 鮮明に覚えているのは、当時からシミュレーションリーグは、今ほどではないにしろそこそこサッカーらしい