第二次大戦は、ドイツのポーランド侵攻から始まった。ここでは、それに至る両国の関係を、第一次大戦終了直後から概観してみようと思う。 1. ポーランドの置かれた環境 第一次大戦中にドイツ・ロシヤ・オーストリアの三大帝国が崩壊したことにより、この三国に分割されていたポーランドは独立を果たすことができた。 その際ドイツは、ヴェルサイユ条約において西プロイセンとオーバーシュレージエンをポーランドに譲ることとなり、東プロイセンは飛び地となった。東プロイセンと本土の間にはさまれた細いポーランド領の帯は「ポーランド回廊」と呼ばれ、ポーランドの海への出口とされた。 これはドイツにとって極めて不本意な国境であった。プロイセンに基礎を置くユンカー層はもちろんのこと、ドイツ国内のあらゆる層が、ドイツの東方国境は改定されるべきだという点で一致していた。 一方ロシヤは、革命直後の内戦期にポーランドから侵略さ