国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の20世紀遺産国際学術委員会が、島根県出雲市の出雲大社が進める境内の施設「 庁舎 ( ちょうのや ) 」の解体計画について、「危機遺産警告」を出したことがわかった。 出雲大社に計画の中止と修繕・保存を検討するよう、9日付の文書で求めた。国内の文化遺産で、同警告は初めて。 庁舎は1963年、建築家の菊竹 清訓 ( きよのり ) 氏(1928~2011年)が設計して建てられたコンクリート造り一部2階建て(延べ631平方メートル)。これまで宝物の展示や、参拝者の受付窓口などで使われてきた。 建設当時の最先端の建築技術を駆使し、コンクリート造りながら、出雲地方で稲を干す「稲はで」をイメージさせるデザインで、伝統的木造社殿が立つ出雲大社境内で周囲と調和。63年に日本建築学会賞を受賞するなど国内外で高く評価された。2003年