三菱重工業が国産小型ジェット旅客機「MRJ」のイメージ回復を図っている。愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)近くの最終組立工場で、座席数76の「MRJ70」初号機など4機の製造工程を報道陣にこのほど公開した。量産初号機の納入時期は5度目の延期で2年遅れ、2020年半ばになった。量産計画の見通しは立たないものの、開発、製造状況をアピールして世間の不安を和らげる狙いがある。 量産初号機の納入先であるANAホールディングス(HD)仕様に塗装された試験5号機など4機が2本のラインに並び、組み立て作業が進む。延べ床面積約4万4000平方メートルの最終組立工場には最大12機を置けるが、4機では空きスペースが目立つ。 4機は米国で飛行試験中の試験1―4号機に続く機体。そのうちの1機、MRJ70は先行する「MRJ90」(座席数88)より1年遅れで開発すると説明していた機体で、今回、初めて公開された。 ただ、