遠野市は、市内の仮設住宅を市営住宅として整備するため具体的な検討に入った。同市に永住を希望する被災者が多いことや、仮設での生活が長期化していることが背景にある。同市によると入居期限がある仮設住宅から恒久的な本設にかじを切る県内で初めてのケース。早期整備を目指し、時期を検討している。沿岸部からの人口流出につながるという懸念がある一方、生活環境の安定につながる側面もあり、今後の取り組みが注目される。 同市は震災直後の2011年7月、同市中心部の市有地に仮設住宅団地希望の郷(さと)「絆」(40戸)を建設。総事業費は約1億8600万円(団地内のサポートセンターを含む)で、国の災害救助費を活用した。 当初から仮設住宅としての役割を終えた後も建物を活用できるよう、再利用が可能な木材パネルを使用した。市によると、建物の基礎部分を補強し、内装や外装に寒冷対策をすれば、市営住宅としての利用が見込めるという。