たまたま学会で朝ゆっくりだったので、NHKの朝ドラを見ていた。そこで主人公のお父さん(かな?)が、「医者は聖職ではない」と言っていた。 同意、である。 先日、ある職業を指してあるドクターが「あれは立派な仕事ではない」と言っていた。それは自己の職業が「立派な仕事」であるという自覚がなせる発言であった。非常に恥ずかしい発言であると、ぼくは自分がそういう発言をした当人であるかのような、きまりの悪さを覚えた。 もちろん、医者は聖職ではない。職業の一つに過ぎない。たしかに、「医者は聖職である」というスローガンがこれまで我々の意気を高揚してきた部分はある。その高揚がリソースプアな日本の医療を支えてきたという現実もあり、またその矜恃も理解できなくもない。 それでも、医者は聖職ではない。ドラマで登場人物が述べていたように、医者は人間であり、患者は人間であり、人間が人間に対峙するという仕事に過ぎない。そして