大阪府庁の体質を変えるために、府知事に当選した橋下徹氏に招かれた民間出身の女性課長の回顧録。仕事にマニュアルが存在しない、整理整頓しない、あいさつをしない-。民間会社との違いに驚き、戸惑うことの連続だったと振り返る。 府庁職員はいわば個人商店主で、横のつながりが薄く、メンツを何より重んじる。そうした府庁の論理を理解した上で、小さな努力を積み重ねることで職員の意識が少しずつ変わっていった。“独裁者”とも呼ばれる橋下氏が実際にどのようなマネジメントをしていたのかを、府庁内部から観察した記録も興味深い。組織風土を改革し成果を上げたいと願う公務員や企業人にとって、大いに参考となりそうだ。(洋泉社・1365円)