映画「告白」は大人たちによってねつ造された虚構としてのモンスター=子どもたちへの一方的な憎悪の映画だ。 eiga.comの「告白」評を読んであ然としたので批判しつつ「告白」評を書く。まずはその批評を読んで欲しい。 これは復讐譚ではなく、命の尊さを過激に教え諭す残酷寓話である プロットだけを追えば救いようのないサスペンスに思える。しかし学校という現代社会の雛形と向き合う子供と大人は知っている。少年に愛娘を殺められ報復を企てる女教師、罪を犯した我が子を庇う母、自己中心的な熱血教師――彼らが繰り広げる絶望の連鎖に、一歩間違えれば誰もが引きずり込まれる危険性があることを。中島哲也はトレードマークの華美で過剰な戯画を封印し、時折ユーモアを散りばめロック音楽を被せつつ、13歳をめぐる殺伐とした今をポップな宗教画のようなタッチで描き出していく。 全ては独り語りによって進行するが、彼らは皆、虚空に向かって