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ブックマーク / ueshin.blog.fc2.com (6)

  • 考えるための書評集

    ヤスパースと仏教 湯田 豊 はしがきに書かれているように、著者はヤスパースの仏教観を徹底的に、荒廃的に批判したといっている。こてんぱんに批判されすぎて、もうまともに理解しようとする気が失せるほど容赦がない。愛情やリスペクトがあまりにも欠落している。 著者はヤスパースはトインビー同様、一流の思想家ではないと断ずる。一流の思想家は生き方が正直で、ひたむきに生きることだといい、そのような思想家にゲーテ、ニーチェ、フロイトをあげている。 著者は若いころにヤスパース、ハイデガー、サルトルの実存哲学にはまり、マックス・ミュラーによってインド哲学に深く傾倒するようになったといっている。その後、インド哲学の著作を多く書き、ヤスパースやニーチェの仏教観を分析したなどを出している。 ヤスパースは『偉大な哲学者たち』の中で仏陀とナーガルジュナの思想をとりあげている。著者の湯田豊はリポートしているだけであり、な

    Tomosugi
    Tomosugi 2016/12/07
  • 『物語論で読む村上春樹と宮崎駿』  大塚 英志 | 考えるための書評集

    まあ、おもしろかったし、物語の解釈はつぎつぎとページをめくりたくなった。わたしは物語のよい解釈者ではなくて意味がわからないことがおおいから、すなおに村上春樹と宮崎駿の物語解釈はたのしめた。「へぇ~、そういうことをいっていたのか」とたのしめた。 大塚英志は何冊か読んだことはあるのだが、過剰な自分語りにはうんざりしたり、単純化・簡素化してくれない迂遠で饒舌な文章には嫌気がさしていてこんかいで読むのをやめるかもと思っていたのだが、あんがいおもしろかった。 まあ、このは『スター・ウォーズ』の種にもなったジョセフ・キャンベルの単一神話論で村上春樹も宮崎駿もその物語を読み解けるということで、物語のフォーマットや構造だけで中身なんかなにもないのだと批判している。世界にうけたのはそういう万人受けする普遍的な物語構造を援用したからだということで、それで憤っているということになるのか。このはそのキャンベ

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    Tomosugi 2016/12/07
  • 恋愛本のおすすめ本・名著15冊 | 考えるための書評集

    とある雑誌から恋愛のおすすめ三冊をセレクトするようにたのまれた。 資料をあつめるためにむかし読んだ書評をあらためて読み返した。 どのをセレクトしようかな。 わたしとしては『この人と結婚していいの?』と『なぜ彼は気で恋愛してくれないのか』、『恋愛セラピー』をおしたいのだが、わたしに期待されているのは「評論・新書・哲学」のジャンルらしい。どうしよう。 男と女のすれちがいに悩む人には最高の名著だと思う。男と女の感じ方、考え方のちがいをこれほどまでに明確に具体例をあげて教えてくれる格好のはないと思う。 たとえば女性が「話したくない」といったとき、傷付けられたことを訴えたいだけであって、男は言葉どおりにうけとって黙ってしまいがちになるが、そうではないという。女性は気持ちの共感や同情がほしいだけなのである。 女性は大切にされているという実感をとても大切にするが、その安全基準がどこにあるの

    Tomosugi
    Tomosugi 2013/10/17
  • 文豪の生々しい人生――『名作はなぜ生まれたか』 木原 武一 | 考えるための書評集

    木原武一はずいぶんむかしに『続・大人のための偉人伝』とか『孤独の研究』などを読んだことがある。とくに哲学者等の生涯を紹介した『続・大人のための偉人伝』では、フリーターとして生きたソーローの人生をはじめて知ることができて、わたしの生き方に影響をあたえた。 文学者や知識人の人生を紹介することで人生の指針をあたえてくれるを書くことが多いのかな。あまり表にはなばなしく出ることはなくて、ひっそりとこつこつと手がたいを世に出してゆくというイメージかな。 このも文豪の生涯を追ったおもしろかったし、若い人には人生の指針や手となる人を見つけられるかもね。 「私自身がもっとも関心を持っている作家の一面や、もっとも感動を受けた作品などにスポットライトをあてるという方法である。…この人物は要するにこういう人間なのだ、という、私なりの主観的判断というか独断の開陳である」 客観的に百科事典的な解説はつまら

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    Tomosugi 2013/10/17
  • 瞑想を理解するための10冊の本 | 考えるための書評集

    瞑想とは頭を「空っぽ」にすることである。ものを考えない、考えに乗らないことである。 それを理解しないのは、そもそもはじめからどうしてものを考えるのが悪いことなのか、考えることをやめようとするのかがわからないからだ。 瞑想は「言葉の否定」である。「思考の否定」である。どうしてそんな大事なものを否定するのか。 日の禅仏教などはそもそもこの疑問すら禁じてひたすら考えないこと、言葉の否定を無理強いしたりする。坊さんの書いた瞑想のにしても、道徳や説教くさい生活指針であったりする。げんざいの仏教から有益な情報は得られにくい。 われわれは考えること、思考をすることは「よいことだ」、「頭のよくなることだ」、「思考を否定することは奴隷や隷従することだ」と思う思考文化のなかで生きている。 瞑想を理解するのは、思考や言葉はなぜ悪いのかを説明したを知らなければならない。 ◆

    Tomosugi
    Tomosugi 2013/10/17
  • 現代思想のガイドブック | 考えるための書評集

    現代思想を知るにはよいガイドブックと出会うほか道はないと思っています。現代思想はテレビも世間の人も教えてくれません。よいガイドブックだけがすばらしい道しるべになってくれると思います。 わたしも今村仁司とか竹田青嗣、小阪修平などの導きによって現代思想の森の中にふみこめました。90年代、ニューアカ・ブームなんかとっくに去ってしまっている中で、なぜかひとりで憑かれるように現代思想を読んでいました。 十代にわかなかったこと、疑問に思っていること、この社会の謎に思っていることを現代思想が解いてくれると思っていたのでしょう。いろいろな思想家の考えていたことを知ることによって、自分の考えたいこと、知りたいことに近いことを考えている思想家と出会いたいと思ったのでしょう。 みなさんもよいガイドブックから自分が解きたいと思っている問題を考えた思想家と出逢えればいいですね。 宝島社の『現代思想・入門』はわたしの

    Tomosugi
    Tomosugi 2013/10/17
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