胃の粘液中に含まれる特殊な糖鎖(とうさ)が、2通りの方法で胃がんの発生を抑制していることを、信大大学院医学系研究科(松本市)の中山淳教授(54)=病理学=らの研究チームが突き止め、7日、信大本部で記者会見した。がん患者の粘膜ではこの糖鎖が無いか少なくなっていることも判明。この糖鎖を作る遺伝子の働きを高める薬を作るなどすれば、胃がんの新しい予防法につながる可能性がある。 胃粘膜の細胞は粘液を分泌して表面を覆い、強酸性の胃液から自らを守っている。表面に近い表層粘液細胞が分泌する「表層粘液」と、その内側にある腺(せん)粘液細胞が分泌する「腺粘液」が層状に重なっている。中山教授らはこれまでの研究で、腺粘液には「α1,4結合型N―アセチルグルコサミン(αGlcNAc)」という糖を先端に持つ糖鎖が含まれ、このαGlcNAcが胃がんの原因となるピロリ菌の増殖を抑えることを突き止めた。 今回、働きをさ