今回、文春の編集氏より「王室をあんな風に扱うのはヨーロッパ文化市場的にどうなのか、というか、ドイツのような共和制の国でもロイヤルドラマってウケるんですか?」という質問をいただき、確かにこれは比較文化的に興味深いテーマなので一筆書いてみる次第です。 「禁断のラブロマンス」+こじれた反応 まず、ドイツで話題になっているかといえば、当然ながらかなり話題です。 で、どんな盛り上がり方をしているかといえば、それは万国共通の女性週刊誌的な「禁断のラブロマンスが!」系の紹介記事を見ればわかります。しかしドイツの文化的特色がディープに表れるものとして、インテリ言論人の“こじれた反応”があるでしょう。たとえば高級紙「ツァイト」の記事を要約するとこんな感じです。 「ザ・クラウン」は2シーズンごとに主要登場人物のキャストが替わる。シーズン5、6でエリザベス女王を演じるのは66歳のイメルダ・ストーントン (シーズ