【パリ=山口昌子】フランスの原子力大手アレバのアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)(51)が6月30日付で退任する。 本人は続投を切望し、「アトミック・アンヌ」の別称で国際的な知名度もありながらの退陣の影には、サルコジ大統領との不仲や“政敵”による包囲網があったとの指摘がある。 ロベルジョン氏退任を6月中旬に発表したのはフィヨン首相。政府はアレバの株式約90%を所有する大株主だが、続投反対の筆頭は大統領とされる。3月末に大統領が東日本大震災への支援を表明するため訪日した同時期に、同氏も技術者を伴って訪日したが、大統領の拒否にあって東京での面会も実現しなかった。 大統領は2007年の就任時に、左派人脈も入閣させる「開放政策」を実施。ミッテラン社会党政権時代に主要国首脳会議のシェルパ(個人代表)を務めた同氏にも入閣を打診したが、拒否されたのが不仲の始まりとされる。 同氏は最難関校の高等