医薬品の特許は通常20年で切れるが、わずかながらも少しずつ改良が加えられているインスリン製造プロセスに関する特許は100年も続いている。そこでOpen Insulin Project(オープン・インスリン・プロジェクト)の面々は、1922年から糖尿病患者が頼り続けてきた化合物の製造手順を独自に開発しようとがんばっている。その研究結果をジェネリック医薬品メーカーに役立ててもらい、安い薬を作ってもらうことが目的だ。 「最新の糖尿病治療は、この数十年間、ほとんど進歩してません。そこが、他の糖尿病患者と同じく、私が大いに不満に感じているところです」とプロジェクトのまとめ役のひとり、Anthony Di Francoは言う。「直接的にも間接的にも、インスリンへのアクセスをもっと改善したいと考えているのです」 Di Francoは2005年から1型糖尿病を患っている。彼の最初の興味は、グルコースの閉ル