熊本地震の被災地では支援物資が集まる一方、分配作業が混乱して被災者に行き渡らない状況が起きている。災害支援の関係者は「被災地の輸送経路や避難所への分配機能が整うまで、物資よりも義援金による支援を」と呼びかける。 15日から19日まで熊本県内で支援物資の配布などに携わった日本赤十字社(日赤)の山沢将人・災害対策企画監は「一刻も早く支援物資を届けたい気持ちと、なかなか被災者まで届かないジレンマを感じた」と話す。 県庁のエントランスロビーは、企業や県外の自治体などから届いた支援物資の段ボール箱であふれ、職員らが夜中まで仕分け作業に追われた。配布作業も現地の道路事情などで輸送経路や手段も限られる中、「個人で物資を送ったとしても、途中の集積所でストップしてしまう可能性が高い」。日赤では現在、個人からの物資提供は受け付けておらず、義援金や寄付金での支援を呼びかけている。