旧石器時代の女性像は、ヨーロッパと西アジアで200体以上が見つかっている。写真はイタリア北部のバルツィ・ロッシ洞窟で見つかった13体の「グリマルディのビーナス」の1つ。2万4000年前の像と見られ、高さはわずか6センチだ。(SCALA, FLORENCE) 女性の姿は、いつの世でも芸術家にとってお気に入りの題材だ。それは、旧石器時代でも同じだった。 ヨーロッパやアジアでは、旧石器時代の女性像が数多く出土しており、一般に「ビーナス像」と呼ばれている。美しく彫り込まれた紀元前2世紀のミロのビーナスに比べれば粗削りかもしれない。胸、腹、尻などが大きく誇張され、顔立ちに際立った特徴がないことが多い。 これらの彫像は、女性をかたどる芸術の長い歴史の始まりだった。