今後もトロを食べ続けたいなら…(1/5) カタールのドーハで行われたワシントン条約の締約国会議で、モナコが提出したクロマグロの国際取引全面禁止案が否決された。 ワシントン条約は、正式名称が「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」という国連の条約であり、現在、175ヶ国が批准している。今回のドーハの会議は15回目の締約国会議、すなわち、COP15(3月13~25日)であった。 環境関連の条約としてはかなり古く、1973年米国ワシントンDCで80ヶ国の代表によって合意され、1975年に発効した。日本は1980年に批准した。条約の初期段階での主要な目的は、象牙やべっ甲などの高価な工芸用素材を禁輸にして、アフリカ象やウミガメ(タイマイ)を保護することであった。 保護対象は、附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに記述されているが、附属書Ⅰでは絶滅の危機にある生物が、Ⅱには種の生存の限界を超える利