母親は自分の腹を痛めて子供を産む。だからテレパシーのようなものがあるのかもしれません。 知人、と言っても大分年上の方から聞いた話です。 高校卒業して郷里を離れて一人暮らしを始めたその方は、人とのコミュニケーションが苦手だったこともあって、すぐに引きこもりになってしまった。 大学の授業にも出席せず、毎日昼間から酒ばかり飲んで暮らしていたそうです。 そんな生活では学業もおぼつかず、留年になってしまいます。酒浸りも度が過ぎるようになり、アル中のようになっていました。 メンタルはいよいよ病んでいき、自殺未遂のようなこともしてしまう状態に。それでも実家には帰らず、1年間が過ぎました。実家からたまに電話があっても、適当に返事をしていました。 それでも時間が過ぎていきます。いよいよ死ぬしかないと、泣きながら毎日を過ごすようになりました。 そんなある日、母親から電話がかかってきます。「あんた、大丈夫なの?