国民の関心がコロナに集中する中で、中国が尖閣諸島への圧力を強めています。そのことに気がついている人がどれぐらいいるでしょうか? 「尖閣周辺には、以前から中国の船が来ていたじゃないか」 そう思っている人もいるかもしれません。尖閣諸島周辺はアカマチなどの珍しい魚も取れる漁場として知られています。それらを狙って、これまでの中国の漁船が頻繁に来ており、そうした漁船が領海に入ってきた時には、海上保安庁の船が退去を命じてきました。そうした情勢の中で、10年前、私は漁船衝突事件の事後対応にあたる経験をしました。 しかし、5月8日に発生した事案はこれまでとは次元が異なるものでした。わが国の領海に入った中国政府の海警は漁船とは全く性質が異なります。その海警の船がわが国の漁船を追尾したことは、わが国の領海内で公権力を行使しようとしたことを意味します。 ちなみに、中国の海警は日本の海上保安庁と同様の役割を担う組