西洋政治思想史における「政教分離」とは、the separation of church and stateである。教会と国家の分離なわけである。具体的には、ある特定の公定宗教(establishment church)が、それに属していない人々を政治的・社会的に弾圧することを禁じるものである。裏を返せば、宗教弾圧の禁止なのであり、公定宗教の存在自体は、必ずしも即座に政教分離原則への違反にはならない。英国国教会があってもイギリスは政教分離の国なのである。だから、大統領が就任式で聖書に手を置いて、牧師の前で宣誓しても政教分離原則への違反にはならないのである。これが、アングロ・サクソン・スタイルである。これに対して、フランスの政教分離原則は、公式の場からの宗教の排除である。これは、フランスが公立学校でのイスラムの女児のスカーフの着用を禁止したことに端的に示されるだろう。つまり宗教排除は、アング
預言者風刺画問題記事、準備中。今日中(フランス現地時間)にはなんとかアップ予定。→大幅に遅れて現地時間で2月11日午後になりましたが、こちらの日付でアップします(一応、時間的整合性のため、以下では9日以前の事実については書かない予定)。2月15日に積み残し部分を掲載(この記事終了)。 デンマークの新聞、ユランズ・ポステン紙が掲載したムハンマド(マホメット)の風刺画をめぐる一連の事件について先週末に記事をアップしたいと思っていたが、時間がとれず仕上がらないうちに状況がどんどんと進行し、事件そのものについてはフランス紙の報道をわざわざ伝える必要がないほどに、日本のメディアでもブログでも詳しく取り上げられている。 日本のネットをざっと見たところでは、この事件を「言論の自由」と「宗教の尊重」の二つの原理の衝突、さらには前者の原理を優先させる欧州対後者の原理を優先させるイスラム世界の二つの世界の衝突
神聖ローマ皇帝とフランス国王およびそれぞれの同盟者の間の平和条約 最も神聖にして分かちがたき三位一体の名において.関係する,あるいは必要であるすべての各人に知らしむべし.過去長年にわたって不和と民の分断がローマ帝国においてかきたてられ,それはドイツ全土のみならず近隣の諸王国とりわけフランスまでもが長く残酷な戦争の争乱に巻き込まれるまでに程度を増し,そして第一に最もやんごとなく最も力ある君主にして領主で名高き追憶のうちにあるフェルディナント二世―ローマ皇帝として選ばれた者,常なる尊厳者,ドイツ,ハンガリー,ボヘミア,ダルマティア,クロアティア,スラヴォニア国王,オーストリア大公,ブルグント,ブラバント,スティリア〔シュタイアーマルク〕,カリンシア〔ケルンテン〕,カルニオラ公爵,モラヴィア侯爵,ルクセンブルク,上下シレシア〔シュレジエン〕,ヴュルテンベルクおよびテック公爵,スワービア〔シュヴ
憲法人権論第12回 政教分離の原則 甲斐素直 一 政教分離の意義 (一) 政教分離の「政」の概念 国家と宗教の分離 ⇒「国教分離」という表現の方が、本当は正確 (二) 政教分離の「教」の概念 国家と教会(宗教団体)の分離separation of Church and State or 国家と宗教の分離 separation of Religion and State (三) 政教分離の形態 1 部分的分離主義 一定の宗教を国教として認めることをせず、また、すべての宗教団体を社団として認めるが、それらの社会的重要性、人心に対する良好な影響等を考慮して、公法上の社団として他の普通の社団よりも有利な待遇を与える 例:ドイツ基本法7条3項「宗教教育は、宗派に関わりのない学校を除いて、公立学校においては正規の授業科目である。宗教教育は、国の監督権を妨げることがなければ、宗教団体の教義にそって行われ
論文・著書リストに戻る ホームに戻る アメリカにみる目的・効果基準の生成過程 松村 比奈子 目 次 1.国家と宗教 2.政教分離制度の類型 3.政教分離制度の歴史 4.アメリカの宗教的背景 5.アメリカにおける政教分離制度の歴史的背景 6.合衆国憲法と主要判例 7.判例にみる目的・効果基準 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.国家と宗教 宗教とは人間・自然をこえた超越的実在とのかかわりにおいて、人間生活の諸問題を根源的に解決できるという絶対の信仰より発しながら、それは問題として現れる限り、現実の社会的な営みの部分において法や政治領域と関わるものとなる。その意味で政治と宗教は分離することができない、混濁する社会現象である。しかし国家組織と宗教団体は、特有の内部規約を持つシステムとして分離することが可能である
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