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ブックマーク / www.isas.jaxa.jp (165)

  • ISAS | 「あかり」による中間赤外線 全天サーベイ観測 / 宇宙科学の最前線

    初の赤外線天文衛星「あかり」による、中間赤外線での全天サーベイ観測(図1)は、どのようにして実現できたのか、今後どのような研究に発展していくのかを、一例とともにご紹介します。 赤外線で宇宙を観測するということ 赤外線は波長2~200μm(マイクロメートル)の、人間の目で見える可視光(波長0.5μm程度)と比べると波長の長い電磁波です。赤外線で観測する対象は、究極的には宇宙のはじまりと生命のはじまりです。宇宙は膨張しており、遠くの銀河ほど速い速度で遠ざかっています。このため、遠く(昔)の銀河から来る光は赤方偏移が大きくなって波長が伸び、赤外線領域で捉えることができます。また赤外線では、広い意味での惑星や生命の材料、つまり宇宙空間に漂っている、可視光では見えない固体粒子(塵)や有機分子からの熱放射や輝線を捉えることができます。 27年前、アメリカ・イギリス・オランダは共同で、赤外線天文衛星

  • ISAS | 第79回:目指せ! JAXA国民認知度100% / 宇宙・夢・人

    ほそだ・さとし。1973年、愛知県生まれ。博士(工学)。2003年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。九州工業大学工学部産学連携研究員を経て、2006年よりJAXA研究員。2011年4月より現職。イオンエンジン開発および「はやぶさ」運用に従事。専門は非化学推進、プラズマ工学、宇宙機帯電、宇宙機器の研究開発など。最近は広報・普及・教育活動にも精力的に取り組む。 キセノンというガスをプラズマ化して、プラスの電気を帯びたイオンを超高速で噴射することで推進力を得るエンジンです。衛星打上げロケットなどに使われている燃料を燃焼させて推進力を得る化学推進エンジンと比べると、イオンエンジンは推進力は小さいのですが、燃費がとてもいいという特徴があります。小惑星イトカワへの往復という「はやぶさ」の偉業は、イオンエンジンがなければ実現できませんでした。 そのイオンエンジンをつくったのが、私が

  • ISAS | 「あかり」の科学観測終了について/ トピックス

    2006年2月22日に打上げられた赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、目標寿命3年を超えて観測運用を行い、赤外線天文学に関する多くの成果をあげてきましたが、2011年5月24日に発生した電力異常による影響で、日陰と日照のたびに電源のONとOFFを繰り返す状態となっています(2011年5月24日プレス発表済)。 この影響により、その後、通信や姿勢制御等の衛星運用の制約が大きくなり、科学観測を再開することが困難な状態であるとの判断に至りましたのでお知らせいたします。 今後は引き続き電力異常の原因を調査するとともに、確実な停波に向けた運用を行っていきます。 参考:「あかり」の主な実績・成果 「あかり」は、内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット8号機で打ち上げられ、日初の赤外線天文衛星として、要求寿命1年、目標寿命3年を超えての運用を通じ、約130万天体に及ぶ「赤外線天体カタログ」を作

    YaSuYuKi
    YaSuYuKi 2011/06/17
    お疲れ様でした。
  • ISAS | 第78回:小型衛星の活躍の場を広げたい / 宇宙・夢・人

    ふくだ・せいすけ。1972年、京都府生まれ。博士(工学)。2000年、東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。同年、宇宙科学研究所助手。2009年より現職。「れいめい」やSPRINTシリーズなど小型衛星のシステムを担当。専門はマイクロ波リモートセンシングやレーダ信号処理。 個別のものよりも、“全体的なもの”が好きでした。子どもの目から“全体的”に見えたのが、航空機や人工衛星、ロケットでした。たくさんの要素が調和して全体として機能しているものに興味があったのです。 何をやるにしろ、自分の武器となる技術が必要です。大学では電子工学を専攻し、大学院では宇宙研の研究室でマイクロ波リモートセンシングやレーダについて学びました。人工衛星の開発に携わるようになったのは、宇宙研に助手として就職してからです。「れいめい」のプロジェクトに参加しました。 「れいめい」は、宇宙研のスタッフや学生が中心

  • ISAS | 第11回:2μm赤外線カメラIR2で金星の夜面を見る / 金星探査機「あかつき」の挑戦

    キラキラと輝き、望遠鏡で観察すると満ち欠けする様子を見ることのできる金星。私たちは普通、その光る部分、昼面に注目しますが、「あかつき」の2μm赤外線カメラIR2の主な狙いはその反対、夜面です。今回は、何も見えないはずの金星夜面の科学と、それを撮影するIR2カメラの工夫について紹介します。 金星夜面の「光芒」 ご存知のように金星地面はとても高温(460℃)で、そこから多量の赤外線が放射されます。ところが金星大気はほとんどがCO2(二酸化炭素、代表的な温室効果ガス)で、地表は90気圧にも達します。この多量のCO2が地面からの赤外線をせき止めてしまう、そのため地面はますます高温になる、というのが金星の世界です。しかし、さすがのCO2も「あらゆる赤外線をせき止める」わけではありません。ちょっとだけ赤外線が抜け出てくる「窓」波長があって、そこでは金星夜面がボーッと光って見えるのです。 図1はヴィーナ

  • ISAS | 宇宙用半導体集積回路の開発-宇宙・民生共使用戦略 / 宇宙科学の最前線

    現在軌道上で活躍している科学衛星はエレクトロニクスの塊といってよいほど、半導体高集積回路(LSI)の果たす役割がとても大きくなっています。ところが、高機能な宇宙用LSIのほとんどは海外から輸入しているのが現状です。我が国で1年に1機程度を打ち上げる科学衛星に必要なLSIの数は、パソコン用に必要な数と比べておよそ6桁も少ないことから、日では宇宙用LSIを独自に開発・製造する体制を維持することはとても困難だからです。一方、高機能な民生用LSIは宇宙環境の厳しい放射線に対する耐性に不安があります。それをそのまま衛星に搭載することは運を天に任せて宇宙科学を進めるようなもので、高い信頼性が要求される高度なミッションでは適切ではありません。では、第3の戦略はないものでしょうか? 私たちは、宇宙用と民生用の共使用にその答えがあると考えました。宇宙用LSIの開発で最も厳しい課題は放射線耐性です。近年、民

  • ISAS | 「はやぶさ」プロジェクトチームがフォン・ブラウン賞を受賞 / トピックス

    5月20日、アラバマ州ハンツビルにて開催された、第30回国際宇宙開発会議(International Space Development Conferece)にて、「はやぶさ」プロジェクトチームが、ナショナル・スペース・ソサエティ(National Space Society) から、フォン・ブラウン賞(Von Braun Award)を受賞しました。 受賞理由は、「初の太陽周回天体表面への往復と試料の帰還」(FIRST ROUND TRIP TO AND SAMPLE RETURN TO EARTH FROM THE SURFACE OF AN OBJECT IN SOLAR ORBIT)に成功したことです。 フォン・ブラウン博士は、旧ドイツから米国にわたり、アポロ計画を実現させた人物としてよく知られています。1971年に来日し、わが国初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げてまもなくの、鹿児

    YaSuYuKi
    YaSuYuKi 2011/05/23
    おめでとうございます。
  • ISAS | イプシロンロケット模擬射点音響環境計測試験の実施結果について(第1シリーズ) / トピックス

    宇宙航空研究開発機構は、イプシロンロケットプロジェクトチームを中心に設計解析を実施して設定した発射台形状の音響環境を確認するため、スケール比1/42の模擬射点を製作し、小規模固体モータによる模擬射点音響環境計測試験を下記のとおり実施しました。 試験は、音響計測技術を有するJAXA 航空プログラムグループと音響解析技術を有するJAXA 情報・計算工学センターの協力のもと、イプシロンロケットプロジェクトチームの要請に基づき、宇宙科学研究所が主体となって能代ロケット実験場にて実施したものです。 第1シリーズでは、イプシロンロケットの音響環境のピーク周波数帯である実機換算500Hz相当までのロケット機体近傍および遠方場の音圧データを取得することを、目的としております。 【試験実施日】2011年4月21日(木)、22日(金)、23日(土) 【試験場所】宇宙航空研究開発機構 能代ロケット実験場 【試

  • ISAS | MAXIが見たブラックホール連星 / 宇宙科学の最前線

    はじめに MAXI(Monitor of All-sky X-ray Image)は、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された全天X線監視装置です。同じくX線で天体を観測する「すざく」が、空の一点を精密に長時間観測するのとは対照的に、MAXIはISSが地球を一周する92分ごとにレーダーのようにほぼ全天を掃天し、さまざまなX線源の活動を監視します。 MAXIは、2009年7月、スペースシャトル・エンデバー号でISSに輸送され、 8月から定常観測を開始しました。『ISASニュース』2009年8月号と11月号にMAXIの観測装置の概要とISSへの輸送・設置が紹介されています。稿では、ミッション最初の1年半の観測成果のハイライトとして、主にブラックホール連星に関する成果を紹介します。 X線で見る空 X線で観測する空は、可視光によるものとまったく様相が異なります。可視光で見る夜空には、無数の星が

  • ISAS | 第10回:1μm赤外カメラIR1で見る金星の雲と地表 / 金星探査機「あかつき」の挑戦

    1μm赤外カメラIR1は「あかつき」に搭載された5台のカメラの一つで、ほかのカメラなどと協力して、「あかつき」の大テーマである「大気超回転の謎」を解くことを主目的としています。大気超回転は、この「あかつきの挑戦」シリーズ2回目の「金星の風に訊け」(今村剛)で紹介しています。金星体が時速6kmで回っているのに、その上に時速360kmの風が吹いているという不思議な現象です。つまり風が勝手に地表の60倍の速さですっ飛んでいる。ちなみに地球ではその逆で、最大風速は地表速の10分の1くらいです。 では、どういう方法で謎解きをするかというと、金星周回軌道上から雲の写真を2時間おきに撮って比較し、雲の動きから風速の分布を決めるのです。超回転の原因は雲層(45~70km)あたりにあるらしいので、「雲層中のいろいろな高度で風速を測れば加速の仕組みが分かるはずだ」という戦略です。カメラが多数あるのは、波長に

  • ISAS | 第77回:さあ、次の航海へ出発しよう / 宇宙・夢・人

    さわだ・ひろたか。1976年、長野県生まれ。博士(工学)。東京工業大学大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻博士課程修了。2004年、JAXA総合技術研究部誘導・制御システムグループ。2007年より現職。専門は宇宙ロボティクス、宇宙機システム/ダイナミクス/制御。

  • ISAS | 「はやぶさ」打上げ8周年にあたり / トピックス

    「はやぶさ」は今日 5月9日で、打上げ8周年を迎えました。 「はやぶさ」という探査機を、あの小型のロケット M-V で打ち上げたのかと、ときどき海外からも声をいただきます。「はやぶさ後継機」を海外ビークルで打ち上げる検討を、多くの機関、会社さんと検討しましたが、彼らは、自分たちのもつ小型ロケットで、「はやぶさ」のような探査機を打ち出せるとは考えたこともなかったようで、一様に驚かれました。M-V第5号機は、もてる能力をふりしぼった打上げだったわけです。 昨年の今頃は、TCM-1 を完了し、帰還を1ヶ月後をひかえ、残る3つの大きな軌道修正にむけて気を揉んでいました。 TCM-1 は60時間余に及んだ大きな軌道修正でした。しかし、その運転はなんとか完了できたとはいえ、放電を頻繁に繰り返す運転の連続で、ダメージはないのか、不安でした。この先には、TCM-2, 3 という長時間の運転もひかえています

  • ISAS | 宇宙科学研究所長からのメッセージ / トピックス

    3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれにより引き起こされた大津波により被災された方々、そして、津波の影響によって発生した福島第一原子力発電所の事故に伴って避難生活を強いられている方々、およびその周辺住民の方々に心からお見舞い申し上げます。特に、宇宙研が1971年以来2007年まで、400機以上の大気球を放球してきた大船渡市にも津波は大きな爪痕を残したとの報道に接し、大変心配しているところです。 相模原キャンパスについては幸いにも在勤・在籍の教職員や学生に人的被害はなく、建物、施設等についてもわずかな被害にとどまりました。また、開発中の科学衛星、探査機や、「はやぶさ」が持ち帰ったサンプル等にも被害はありませんでした。 しかしながら、その後の電力不足に伴う計画停電(宇宙研は第4グループに属しています)や節電要請などがあり、相模原キャンパスでのさまざまな活動に困難が生じています。 そのよ

  • Hayabusa Live » キュレーション情報(12/27)

    キャッチャーB室から、自由落下法で石英皿の上に100個程度の微粒子を採集しました。 今後、B室内の状況を更に調査する予定です。 また、 A室から自由落下法で採集された微粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)観察を引き続き実施しています。 これまでに30個程度が岩石質と同定されています。この状況から、初期分析が1月下旬から可能になると期待されますが、決まり次第、またお知らせします。

  • Hayabusa Live » キュレーション情報(11/29)

    前回のブログでお知らせしたように、B室の開封準備を始めました。 まず、A室に石英皿で蓋をして反転し、多少の衝撃を加えたところ、光学顕微鏡で観察できる程度の微粒子が多数(数百個以上)新たに採集されました。この中から初期分析を行う粒子を判定するために、SEM(走査型電子顕微鏡)分析を行う予定ですが、そのためには、マニピュレータで1粒ずつSEMホルダーに乗せ替えることが必要で、多少時間がかかります。 うまくいけば、先日発表したイトカワ起源の微粒子の初期分析に先立って、これらの少し大きめの粒子から初期分析が始められる可能性があります。 この事があったため、B室の開封作業を中断していますが、大きめの粒子のSEM作業と並行してB室の作業を再開する予定です。

  • ISAS | はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について / トピックス

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器(※)からの微粒子の採集とカタログ化を進めています。 サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。 採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため取扱技術について特別なスキルと技術が必要な状況です。JAXAは、初期分析(より詳細な分析)のために必要な取扱技術と関連装置の準備を進めています。 (※)サンプル収納容器内部は、サンプルキャッチャーA室及びB室と呼ばれる2つの部屋に分かれています。 はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明に

  • ISAS | 「はやぶさ」カプセルから採取された微粒子の電子顕微鏡写真 / トピックス

    現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 相模原キャンパス内のキュレーションセンター(※1)において、「はやぶさ」 サンプルコンテナ(※2)内より、テフロン製ヘラで採取された微粒子の電子顕微鏡による観察を行っていますが、ヘラを用いて回収された試料を走査型電子顕微鏡により直接観察を行った結果、多数の微粒子が確認されました。 なお、これらが小惑星「イトカワ」の物質であるかどうかの判断には、今後予定している初期分析の結果を見る必要があります。 (※1)キュレーションセンター:試料の受入、処理、保管を行う施設 (※2)サンプルコンテナ:カプセル内にあり、サンプルを格納するための専用コンテナ

    YaSuYuKi
    YaSuYuKi 2010/10/09
    まだ、「可能性が出てきた」という段階だが、何か分かれば、価値は大きい
  • ISAS | 相模原キャンパス特別公開2010、終了 / トピックス

    毎年恒例の相模原キャンパスの特別公開が7月30日(金)、31日(土)の2日間にわたって開催されました。 「はやぶさ」の帰還もあり混雑が予想されましたが、熱中症等により緊急車両で搬送される方もなく、イベントを楽しんでいただきました。 相模原キャンパスへの来場者数は、初日が14216名、2日目が19645名で、合計で33861名でした。博物館での「はやぶさ」カプセル特別展示の方は、初日が13000名、2日目が17000名で、比率はほぼ一定しているようですが、来場者の方に話を聞くと、待ち行列のあまりの長さゆえ、どちらか片方だけをご覧になった方もかなり多かったようです。 また、昨年好評だった「宇宙のなぞに挑戦! ミニミニ図鑑」をデータをリニューアルし、今年も行いました。会場の混雑もあり、すべてを集められなかった方も多かったことと思います。データを掲載しますので、図鑑の完成にお役立てください。 宇宙

  • ISAS | はやぶさ2プロジェクトについて(報告資料) / トピックス

    はやぶさ2プロジェクトについて、7月14日に開催された宇宙開発委員会に報告いたしました。 新しいウィンドウが開きます はやぶさ2プロジェクトについて(報告資料:PDFファイル)

  • ISAS | イプシロンロケットプロジェクトについて(報告資料) / トピックス

    イプシロンロケットプロジェクトについて、7月14日に開催された宇宙開発委員会に報告いたしました。 新しいウィンドウが開きます イプシロンロケットプロジェクトについて(報告資料:PDFファイル)

    YaSuYuKi
    YaSuYuKi 2010/07/17
    低コストと即応性が武器か